私は今では全然違うことをしているのだが、大学卒業後、銀行員となり、その後不動産会社へと転職した。
不動産会社は厳しいという話は聞いていたが、噂以上に厳しかった。
帰るのは20時21時が当たり前、昼休みなんて、15分あるかないか。
入って3日目にやめようと思ったが、銀行時代の人に、そら見たことか!なんて言われるのが嫌で耐えた。
最初はキツイかと思ったが、慣れてくると、土日は忙しいが、平日は暇だし、周りとも仲良くなり、サボり方も覚えていった。
ところが、仲良くなるのも良し悪しで、入社して2ヶ月くらいだろうか。先輩から電話があった。
「なぁ、お世話になってる人から、来てくれないかって相談があったんだけど、今日は家族の都合で行けないんだ。行ってくれないか?」
口調は丁寧だったが、私には行け!に聞こえた。
私は訳も分からずに指定されたところにいった。
すると、初老の男性がいた。
「来てくれてありがとう!君が◯◯君の後輩か!助かるよ!」
あぁ…結局、先輩のお手柄になるのか…なんて、思っていると、その人が女性を紹介した。
「お忙しいところすいません。実は弟と連絡が取れなくて、心配になり…。」
そういうと、男性がその人の部屋番号を言ってきた。
私は心底、先輩を恨んだ。なぜなら、私は売買担当。部屋番号?え?賃貸の相談じゃなくね?
私は先輩に電話した。
「先輩!なんか、部屋を開けてほしいって言われてるんですが…。」
「あっ!もう、今の時代、マスターキーとかないから、鍵屋に電話して!」
それなら、賃貸の担当に電話しろよ!と思ったが、そこが不動産の難しいところで、賃貸担当から売買の情報が来ることもあり、賃貸担当者より、同じ課の人間…特に若い人が犠牲になる。
私は仕方なく、部屋の前までいき、扉をたたき、その人に声をかける。多分だけど、大家も、一人で死んでるところを見たくなくて、私の先輩を読んだのではないか?と思った。
とにかく、親族が何日も連絡取れてないのに、生きてるはずがない。私は意外と冷静だった。
中でドロドロの死体があろうと、どうでもよかった。そういう死体は臭いというが、吐いたらどうしよう?とすら考えていた。とにかく今は反応がなければ鍵屋を呼ぶ。それで、鍵屋に任せて後は帰る。以上。
ドンドンドン!
「大丈夫ですか?返事してください!!」
すると、親族の方が、続く
「◯◯!ねえ、いるの?」
鍵屋に電話するか…そう思った矢先、中から声がした。
「具合が悪い…。」
確かに男の声だった。管理人、私、親族は、無理矢理こじ開けようとしたが、開かない。
仕方なく、119に電話する。























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