奇々怪々 お知らせ

不思議体験

キジニャンさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

実家
長編 2026/09/01 01:40 8,197view
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廊下の突き当たり。

僕の記憶にはない壁だった。

「ここ、昔からありました?」

「……分かりません」

測量士が壁を軽く叩く。

コン、コン。

他の場所とは少し音が違った。

「中が空洞になってるかもしれません」

「空洞?」

「昔の家だと、収納を後から潰して壁にすることがあります」

壁の下に置かれていた物をどけると、
小さな扉があることに気づいた。

這って入れるような大きさの、
物置の扉のようだった。

「ここ、開けられますか?」

僕はしゃがみ込んだ。

取っ手に手をかける。

しかし、
動かない。

鍵がかかっている。

「鍵、あります?」

「いや……」

そんなものがあることすら知らなかった。

測量士は、

「無理に開けない方がいいですね」

と言った。

「解体するときに分かりますから」

僕もそう思った。

その日はそれ以上、調べなかった。

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