奇々怪々 お知らせ

不思議体験

キジニャンさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

実家
長編 2026/09/01 01:40 150view

廊下の突き当たり。

僕の記憶にはない壁だった。

「ここ、昔からありました?」

「……分かりません」

測量士が壁を軽く叩く。

コン、コン。

他の場所とは少し音が違った。

「中が空洞になってるかもしれません」

「空洞?」

「昔の家だと、収納を後から潰して壁にすることがあります」

壁の下に置かれていた物をどけると、
小さな扉があることに気づいた。

這って入れるような大きさの、
物置の扉のようだった。

「ここ、開けられますか?」

僕はしゃがみ込んだ。

取っ手に手をかける。

しかし、
動かない。

鍵がかかっている。

「鍵、あります?」

「いや……」

そんなものがあることすら知らなかった。

測量士は、

「無理に開けない方がいいですね」

と言った。

「解体するときに分かりますから」

僕もそう思った。

その日はそれ以上、調べなかった。

⸻⸻

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