幕間(二)
「……格清創也は犯人じゃなかったんですか?」
「なんだこれからいいとこなのに……まぁ、そうなるな。」
「じゃあ、格清創也はどこへ行ったんでしょう?失踪してるんですよね」
「それはこの後のお楽しみだ。さぁ、話に戻るぞ。」
「ちょっと待ってください。空田さんと妹さんの名字が同じなのは本当に双子だからですか?二人で一つとするなら、何とかでの意識も一緒になるんじゃ……」
「良い所に気が付いた。その通りだ。実はスケッチブックに別の双子の名前が書かれていたらしいが、その双子は二人とも意識が一緒だったようなんだ。こっから面白くなるぞ。……それは確かに誰かの足音だった。そしてその足音は——」
第五章 本当の犯人
パキッ、ミシッ。
襖の前までやってきた。そして襖はゆっくりと開かれる。と、空田が驚いた表情を見せた。
「……親父!?」
そう、そこに居たのは空田の父親であった。空田は驚いていたのも束の間、すぐに真顔になった。
「……そうだよなぁ、やっぱり親父だった」
そう言って空田はポケットからマイナスドライバーを取り出す。そして中央の畳を外し始めた。畳はゆっくりと持ち上がる。畳の下にある物を見て、俺は絶句した。
「……格清創也」
畳の下にはぽっかりと穴が空いていた。そこに格清創也と思われる遺体が横たわっていたのだ。しかも、その顔はズタズタに切り刻まれていた。
すると空田は格清創也に向かってマイナスドライバーを思いっきり振り被った。それを合図に出刃包丁を持った空田の父親も格清創也に振り被る。その瞬間、遺体から笑い声が聞こえた。
そして俺は目の前が真っ白になった。
やはり、こうするしかなかった。
マイナスドライバーを突き刺しながら、思う。
嘗て俺の先祖は夏代を殺した。夏代は素晴らしい占い師だったらしいのだが、ある日俺の先祖が占いをしてもらった時に的が外れたらしい。それに怒った俺の先祖は夏代を殺した。その時、夏代の弟である格清創也に見られていたのだ。けれど格清創也は逃げず、むしろ近付いてきたという。そしてこう言った。
「夏世の頭を食えば、占いの力も手に入り、不老不死になれる」
と。その後、格清創也は夏代の顔を食べた。だが、それからその場所で夏代に祟られ死ぬ女性が出てきた。どうやら自分の顔と、格清創也を探しているらしい。
格清創也は「見つかったら頭を取られる」と顔が判らないように自ら顔に包丁で切り傷を作った。けれどその所為で祟りは鎮まらなかった。地蔵を作ったりしたが、結局の所一年に一人犠牲者が出た。
格清創也は死なない。村長の「格清創也は複数いる」というのは出鱈目(でたらめ)で、格清創也はこの一人なのだ。
こいつを殺さなければ祟りは終わらない。だからこうしてマイナスドライバーを刺しているのだ。
その時だった。
「許さない……」
背後からそんな声が聞こえる。夏代の声だった。初めて聞いたがすぐに判った。
俺は振り返る。そこには柿田が呆然と立っていた。いや、柿田ではなかった。髪が長く伸びて、藍色の着物。それは夏代だったのだ。
夏代と目が合う。夏代はゆっくりと笑顔になる。
「みつけたぁぁぁああああああ」

























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