恐らく、僕がゴミを捨ててから数分後。
画面には、男が一人歩いている。
昨日、角を曲がっていった男だった。
男は、曲がったはずの角からゴミ捨て場に引き返していた。
僕は映像を見つめた。
男は、ゴミ捨て場の前で立ち止まった。
そして、僕が歩いていった方向へ顔を向けた。
そのまま、歩き出す。
「……え?」
映像の中で、男は僕が帰った方向へ向かっている。
それに気づいているのは、画面を見ている僕だけだった。
僕は急いで立ち上がった。
玄関を開ける。
アパートの周囲を見る。
道路。
郵便受け。
ゴミ捨て場までの道。
何もない。
何かを置いた跡もない。
不審なものもない。
僕は自宅の周囲を何度も確認した。
幸い、何も見つからなかった。
でも、頭から離れない。
昨夜。
男は僕の後ろを歩いていた。
僕が自宅へ帰る方向へ。
あのとき、僕はただ、
「きっと近所の人なんだろう」
と思っていた。
もし、次のゴミ捨ての日。
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