また透明な袋が一つ置かれていた。
「またか」
中には、やはり普通の家庭ゴミ。
その次の週はなかった。
しかし、その翌週にはまた置かれていた。
毎回ではない。
けれど、時々、自分より先にゴミを捨てている人がいる。
僕は少しだけ気になり始めた。
僕は昔から、妙に負けず嫌いなところがある。
子供の頃から、ゲームでもスポーツでも、
「負けるくらいなら最初からやらない」
とまでは言わないが、どうせやるなら勝ちたいと思うタイプだった。
別に誰かと競争しているわけでもないのに、
「今までずっと一番だったのにな」
という、どうでもいい悔しさが少しずつ生まれてきた。
いつの間にか、その透明なゴミ袋を見つけるたびに、
「この人、何時に捨ててるんだ?」
と思うようになった。
そしてある日。
久しぶりに仕事が早く終わった。
帰宅したのは、午前0時過ぎ。
いつもより一時間以上早い。
僕はゴミ袋を持ちながら思った。
「今日はさすがに一番乗りだろ」
少しだけ嬉しくなった。
自分でも馬鹿らしいと思う。
でも、ここ最近ずっと先を越されていた。
今日くらいは勝ちたい。
そんな気持ちでゴミ捨て場へ向かった。
ところが。
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