そこには、またゴミ袋が一つ置かれていた。
「……マジかよ」
思わず苦笑した。
中には、弁当の容器。
スナック菓子の袋。
いつもと同じような家庭ゴミ。
僕は、
「この人、いったい何時に捨ててるんだよ」
と呟いた。
結局、僕は二番目にゴミを捨てた。
そしてゴミ捨て場を離れ、自宅へ戻ろうとした時。
自宅とは反対方向。
数十メートル先。
道路の角を、一人の男が曲がっていくのが見えた。
普通の服装だった。
年齢もよく分からない。
ただ、手には何も持っていなかった。
「あの人かな」
なんとなく思った。
あのゴミ袋を、いつも自分より先に置いている人。
男が角を曲がる直前、一瞬だけこちらを振り返ったように見えた。
目が合った気がした。
でも、男は何もせず、そのまま角の向こうへ消えていった。
僕は特に気にしなかった。
「多分、あいつが先に捨ててる近所の人なんだな」
そう思いながら、自宅へ帰った。
そして翌日。
パトカーのサイレンで目を覚ました。
外が騒がしい。
カーテンを開けると、近所の道路をパトカーが何台も走っている。
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