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不思議体験

montageさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

置き配の写真に、私が写っていた
長編 2026/08/10 11:14 654view

私は最寄り駅で降りた。
家まで歩いた。
マンションが見えてきたところで足が止まった。
帰りたくなかった。
でも、帰らないわけにもいかない。
警察を呼ぶことも考えた。
ただ、何と説明すればいいのか分からなかった。
「自分と同じ顔の女が、鍵を開けずに家の中にいる」
そんな話を誰が信じるだろう。
マンションに入った。
エレベーター。
4階。
廊下。
自分の部屋の前。
鍵は閉まっていた。
スマホで防犯カメラを見る。
玄関には誰もいない。
私はドアを開けた。
「……ただいま」
なぜか、そう言ってしまった。

返事はない。
靴を脱ぐ。
廊下に米の段ボールが置いてある。
その向こう。
リビングのドアが少し開いていた。
朝、閉めたはずだった。
私はしばらく動けなかった。
でも、防犯カメラには何も映っていない。
意を決してドアを開けた。
誰もいなかった。
窓も閉まっている。
ベッドの下。
クローゼット。
浴室。
トイレ。
全部確認した。
誰もいない。
最後にキッチンへ行った。
テーブルの上に、1枚の写真が置いてあった。
大学時代の旅行写真。

配達員が言っていた写真だった。
リビングの棚から持ってこられている。
私は震える手で写真を取った。
何度も見た写真だ。
大学3年の夏。
女友達4人で海へ行ったときのもの。
私も笑って写っている。
でも。
5人いた。
1番右。
私の隣に、
もう1人、私が立っていた。
同じ顔。
同じ髪。
同じ服。
そいつだけ笑っていなかった。
私は写真を捨てた。
その日のうちに友人の家へ逃げた。
管理会社には退去すると伝えた。
荷物は業者に頼んで運んでもらった。
あの部屋には2度と1人で入らなかった。

6/8
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