その日の夜。
帰宅すると、段ボールはちゃんと玄関前にあった。
部屋に入って、着替えようとして気づいた。
昨日着ていた白いTシャツと紺色のスウェットがない。
洗濯機にもない。
クローゼットにもない。
しばらく探して、嫌になってやめた。
たぶんどこかにある。
そう思った。
3日後、また荷物を注文した。
今度は化粧水だった。
別に検証するつもりではなかった。
必要だったから買っただけだ。
ただ、注文してから少し気になって、配送予定日を確認した。
木曜日。
私は仕事。
また昼間に届く。
そして木曜日。
午後3時12分。
通知が来た。
スマホを開いた私は、一瞬意味が分からなかった。
「お届け先のお客様へ直接お渡ししました」
置き配を指定したはずだった。
配送会社に問い合わせた。
オペレーターの女性が確認してくれた。
「配達員の記録では、ご在宅の女性の方にお渡ししたとなっております」
「誰もいません」
「はい?」
「私、1人暮らしなんです。今も会社にいます」
少し沈黙があった。
「ご家族の方などは……」
「いません」
また沈黙。
担当の配達員に確認して折り返すと言われた。
30分ほどして電話が来た。
男性だった。
配達員本人だという。
「あの……今日のお荷物なんですけど」
「はい」
「女性の方、出られましたよ」
背中が冷たくなった。
「どんな人でした?」
「どんな……」
男性は困ったように笑った。
「普通の女性でしたけど」
「年齢とか、服とか」
「そこまでは……ただ、お若い方でした。20代か30代くらいの」
私は32歳だ。
「髪は?」
「長かったと思います」
「服は?」
「すみません、そこまでは覚えてないです」
「その人、何か言ってました?」
少し間があった。
「『いつもありがとうございます』って」
それだけだった。


























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