長い爪で削ったような線が何十本も。
管理人は無言でその傷をペンキで塗りつぶしていた。
数日後。
夜中に404号室の奥にある共用のトイレに行こうとして廊下を出ると、
404号室のドアが、少しだけ開いていた。
真っ暗な部屋。
何も見えない。
でも中から、
「…閉めて。」
と声がした。
女の声だ。
「お願い…閉めて。」
俺はドアを閉めた。
カチャン、と鍵が掛かる音がした。
その瞬間。
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