写真の悠斗は、見覚えのない黒いパーカーを着ていた。
そして、写真の端には、黒い影のようなものが悠斗の肩に手を置いている。
影の指は、異様に長かった。
その瞬間、家の中から **ギィ……ギィ……** と、誰かが歩くような音が聞こえた。
亮が青ざめる。
「……なあ、誰かいるぞ」
悠斗は写真を握りしめたまま、玄関の方を見た。
暗闇の奥から、何かがこちらを覗いている。
白く、細く、異様に長い首。
その先にある顔は、まるで人形のように無表情で――
だが、目だけが異様に大きく、黒目がちで、悠斗をまっすぐ見つめていた。
次の瞬間、玄関の扉が **バンッ!** と閉まった。
亮が叫ぶ。
「逃げるぞ悠斗!」
だが悠斗は動けなかった。
手に持った写真が、じわりと熱を帯びている。
写真の中の“影”が、ゆっくりと顔を上げた。
そして、写真の中の悠斗の耳元で、黒い影が何かを囁いている。
> **「次ハ……現実ノ番ダ」**
写真の裏側に、いつの間にか文字が浮かび上がっていた。
> **『呪界録 第一の頁』**
悠斗の背後で、誰かが笑った。
それは亮の声ではなかった。
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