目の前。
四つの目が、
全部違う方向を見ている。
なのに、
全部俺を見ていた。
女の口が裂ける。
「みつけた」
その瞬間。
背後のドアが開き、
無数の手が伸びてきた。
■
気づくと、
俺は病院にいた。
三日間意識不明だったらしい。
発見したのは中野だった。
「お前、押入れの前で倒れてた」
中野は言った。
俺はすぐ退院し、
部屋を引き払う決意をした。
もう無理だった。
だが。
荷物をまとめている最中。
押入れの奥に、
古いノートを見つけた。
前の住人のものらしい。
ページは震えた字で埋まっていた。
『最初は音だけだった』
『次に扉が増えた』
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