環はそう言ってから目を逸らし、背伸びをした。
私「…いや、ちょっとこれ見て」
環「何?」
N県、◯◯市のマンションにて焼身自殺した少女・川木 絵菜 の父親・正治 を児童虐待で逮捕。だが、その後刑務所内で正治の遺体が発見される。そして 川木 絵菜 の母親・清美は現在行方不明。
環「…どういう事?」
私「どうやら恵那ちゃんの遺体には殴られた痕跡が複数あったみたい。…そして、父親・正治 の死因は『心臓発作』。死ぬ直前、何かに怯える様な素振りが監視カメラに映ってたっぽい。母親の行方不明の動機は未だ不明みたいだね」
環「えぇ……ん?ちょっと待って。父親が亡くなって母親が行方不明ならEちゃん———絵菜ちゃんにメリーさんから電話が掛かってきた事は誰も知らないんじゃない?だとすると、怪闇小噺を書いた作家は何でこの事を知ってるの?」
私は怪闇小噺の作家名を見た。
私「『川木 哲也』N県出身、19◯◯年生まれ。怪談師……調べてみる。」
するとホームページが出てきた。下の方を見ていくと、独演会なんかの情報が載っている。そして、一番下まで見るとお問い合わせのメールアドレスがあった。
私「ちょっと話聞けるかメールしてみる」
私は「◯◯という番組の記者」と名乗って、取材を要求した。すると、思っていたよりもすんなりOKを貰えた。日程は二週間後になった。
私「話聞きにいくの二週間後の◯日になったよ。環も行くでしょ?」
環「えッ!?私も行かなきゃだめ!?」
私「『私も』って、そもそもメリーさんの電話の話をしたのはあんたでしょ?」
環「あっ…そうだっけ。◯日に取材ね!」
私「念の為、偽の名刺作っといてね」
それから私は話を聞きに行く前の数日間で色々調べ、判った事がいくつかあった。
一つ目、怪談師の 川木 哲也 は絵菜ちゃんの父親・正治の兄であった事。
二つ目、川木家の住んでいたマンションは全て取り壊された事。
三つ目、絵菜ちゃんの自室にあった筈の顔が黒く焦げた人形———メリーは、現在どこにあるか判らない事。
あとはまぁ、川木哲也の出してる本の数とかそれぐらいだが。
そういった細かい事をメモ帳に書き入れた。
そして遂に取材の当日。私は偶々親が持っていたレコーダーとメモ帳、そして偽の名刺を印刷して持ってきた。
環「お待たせ〜。準備万端だね」
私「はいこれ」
環の事だから準備していないと思い、あらかじめ偽の名刺を作っておいた。
私「偽の名刺。環持ってないでしょ」
環「お〜!よく持って無いって判ったね」
私「だってあんた、私が『偽の名刺作っといて』って言った時スマホ見てたじゃない」























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