そして車の中で、二人同時に言った
「…あの時さ」
声が重なった
私が先に聞いた
「なんか見た?」
同期は首を振り
「違う、見てない。声が…一瞬こもった」
私も同じだった
「ね、こもった…」
私たちは、同時に声がこもるという謎の現象を体験していた
その時だった
車内に、急に強烈な臭いが広がった
血なまぐさい臭いと腐ったナニカの臭い、
吐き気を催す臭いだった
「なにこれ…臭すぎない?」
「なんなのこの臭い…」
あまりの悪臭に、二人とも嗚咽が出るほどだった
窓を開けて換気するが、薄まってもすぐまた臭いが戻ってくる
「もう無理、どこから臭ってるのか見ようよ」
次のコンビニの駐車場で私は、ボンネット、ダッシュボード、座席の下、後部座席、荷台まで隈なく調べた
同期は悪臭が苦手なのかずっと後ろで見守っていた
だが、原因はどこにも見つからない
あまりの臭いに必死にスマホで検索したが、
似たような現象は出てこない
その時――
「早く帰りたい…」
半泣きの声が私の耳元で聞こえた
「まじそれ…」
共感しながら私は後ろに居る同期の方へ振り向いた
その瞬間、凍りついた
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