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不思議体験

ゴンゾウさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

新幹線・東京-新大阪間、2025年3月
短編 2026/03/02 18:28 156view

証言者:佐藤健一(仮名)、34歳、商社勤務

場所:東海道新幹線のぞみ2xx号、11号車2番D席

面談日時:2026年1月18日、午後3時、東京駅構内カフェ

佐藤は、スーツを着た、普通のサラリーマンだった。結婚している。子どもが二人。まったく、「霊感」とは縁のないタイプに見えた。
しかし、彼がコーヒーカップを持つ手は、わずかに震えていた。

「2025年3月14日、金曜日です。大阪出張からの帰り。のぞみ2xx号、午後7時26分東京着の便。」

「私、11号車2番D席——窓側です。隣、E席は空席でした。金曜の夜なのに、車内は結構空いてて。」

「新大阪を出発して、30分くらい経った頃です。京都過ぎたあたり。もう暗くなってて。」

「隣の席——E席に、誰かが座ったんです。」

「おかしいな、と思いました。だって、新大阪で乗ったのは私だけだったし、途中の駅——京都——でも誰も乗ってこなかった。でも、確かに、隣に人がいる。」

「チラッと見たんです。」

(彼の声が低くなる)

「サラリーマン。40代くらい。スーツ。普通です。ただ——顔色が、ものすごく悪かった。青白いっていうか、灰色っていうか。」

「『体調悪いのかな』って思いました。それで、気を使って、あまり見ないようにしました。」

「名古屋を過ぎました。午後8時過ぎ。車内は暗い。みんな寝てるか、スマホ見てるか。」

「そのとき——隣の男が、喋ったんです。」

「『すみません』って。」

「私、『はい?』って振り向きました。」

「そしたら——その男、こう言ったんです。」

「『私、どこで降りればいいんでしょうか』」

(佐藤は、コーヒーを一口飲んだ。手の震えが増していた。)

「変な質問だな、と思いました。『切符見れば分かるじゃないですか』って言おうとして——でも、その前に、何か変だって気づいたんです。」

「その男の目。焦点が合ってない。私を見てるんだけど、見てない。」

「それで、なんとなく——怖くなって。『車掌さんに聞いてください』って言いました。」
「男は、黙りました。また前を向きました。」

「私も、もう関わりたくなくて、スマホを見てました。でも——頭の隅で、ずっと気になってて。」

「それで——我慢できなくて、もう一度、隣をチラッと見たんです。」

「男は、まだ座ってました。でも——」

(彼の声が、ほとんど囁きになる)

「濡れてたんです。全身。髪も、スーツも、びしょびしょに。座席に、水が滴ってて。」

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