父がそう言い張った為、彼が去勢手術を受けられたのは3歳頃だった。それも、マーが私の母にひどい怪我を負わせたのがきっかけだった。その後マーは動物病院で宿痾の病と闘ったが、わずか4歳と半年、人間年齢でいうと30歳代半ばの若さで永遠の眠りについた。彼は実家の前庭に埋葬されたが、大きな墓石をもらい、もう他の害獣が近づくことのないように灯りまで設置された。
「イノシシなんかは50cm以上穴を掘りやがるでのう、マーの墓の穴を掘るのは大変やったわ。」
と、父は軽快に笑いながら私に語った。
他方で、私は泪を浮かべながらマーの墓を見て、「もう遅すぎる」と思った・・・・・・。
去勢をしていないオス猫は気が荒い。
マーは元々は父の友人のペットで、1歳半の時に私の実家にやって来た。
その時に獣医さんに相談して去勢をしてもらっていたならば、マーの猫生は違うものになっていただろう。不治の病にかかることもなく、もっと長く生きられたかもしれない・・・・・・。
父はマーを喪ってからすぐに、赤ちゃん猫のスズを購入してきた!母と私はまだペットロスに陥ったままだったので、父親の切り替えの早さに驚愕し、呆れかえった。しかしながら、父はマーの早すぎる死に負い目を感じていたのか、彼から学んだことをスズの為に活かした。彼女は1歳になる頃に避妊手術と予防接種を受け、座敷猫として暮らしている。
ペットは見ても触っても温かい。私が育児に悩んでいた時、お隣のメスの犬さんにいつも元気をもらっていた。スズは今や結構なおばあちゃん猫になったが、私の顔を覚えていてくれており、帰省した折にはいつも彼女の温もりに癒されている。そして、若かろうが老いていようが、ペットは人間の心の友――人間の仲間になってくれるのだ。
人間と共に生きてくれる(生きてくれた)ペット達に、【ずーっとずっと、大好きだよ】と伝えてあげる(時々思い出してあげる)ことがとても大切だと思う。愛を伝えることも飼い主としての真心の一つであり、旅立ったもの達へのなによりの供養にもなると思う。
文章として間が悪いが、くだんのN夫さんは、わざわざ夜にマーの墓を見に来たらしかった。詮索が大好きなこの男は、
「家の敷地内に猫の墓を作るのは良うありませんで。ペットの魂が敷地内から出られえへんから、成仏できへんらしいですに。」
と、不快なことを父方の祖母に伝えに来たと聞いた。【ペットネグレクトで嫁いびり】のくそじじいが、余計なお世話だ。
私がN夫さんの猫たちに餌付けをしている両親に苦言を呈したとき、「なら、あなたの家でスズを飼ったらいいじゃないか」と思った方もいらっしゃるかもしれない。でも、私にはできないのだ。スズは私の大切な友達であるが、彼女にとっての母猫は私の父なのだ。もう一つは、私は両親のように、手厚くスズの面倒をみてやることができない。何よりも、肌が弱いわが子たちの為にも、スズを我が家で飼うことはできないのだ。


























沈丁花です。私の趣味の一つは猫さがしです。短編の執筆に行き詰まってしまい、猫のことを考えていたら、長編が出来てしまいました。
沈丁花です。一部文の付け足しをし、句読点の間違いを直しました。これまで読んでいただいた496名の皆様、たいへん失礼いたしました。
沈丁花です。「だが」を多用しすぎていたので、一部語彙を書き替えました。文も少しだけ付け足しました。これまで読んでいただいた1179名の皆様、誠に申し訳ございませんでした。