もしもし?
『こんにちわ!今から行くから待っててねー!』
狼狽え、どうしようどうしようと、回らない頭で考えて、考えた果てに、何故か仏壇に走り、親の骨壷を持って、喪服の前に立ち、一心不乱に遺灰を突っ込み始めます。本当はそんなこと、したくもないのに。
ポケット、袖、襟、自分に灰がかかるのもお構い無しに、遺灰を突っ込み続け、骨壷の中身を全て”使い切った”時、玄関からガチャガチャと聞こえ、
『来たよぉぉおおおおおお!!!』
『あけてー!!!!』
『あけてよーー!!』
『あけてーー!!!』
『きたよおおおおおおおおおおお』
『早く開けなさい』
『開けてよ』
『開けて』
『あけて』
『あけて』
『あけろ』
もはや、男なのか女なのかも分からない声でした。
壊れた機械音声の如く、歪んだ声色で、玄関の向こうに居る”ソイツ”はひたすらに扉を叩き続けました。
扉を叩く、蹴る音はどんどん激しくなり、僕の顔は涙やら鼻水やらでグチャグチャになってて、腰が抜けちゃってたんですが、無駄に回転してる頭は、無駄なことばかり考えて。
『そういえば、今まで夢の中でも眠りについて現実に戻っていたのに、初日だけは夢の中で眠らなかったな』
『あれって、僕が眠る前に死ぬからってことなのかな』
などと、余計なことばかり考えてしまっていて。
でも、たった一つだけ縋れるものもありました。
それは、最後まであの動画を見ていないことです。
きっと、視聴を途中でやめた僕はまだ逃げられるんだ。そう思って、玄関から1番遠い窓を開けて、そこから身を捩り、外に出ました。
背後からものすごい破壊音がして、とんでもない足音が聞こえてきましたが、決して振り返らず、走り続けました。
なるべく家から遠い銀行で、親が遺したお金を下ろして、駅に行き、とにかく遠くに向かって、遠くの街で部屋を借り、働き口を何とかみつけて、今はまだフリーターですが、何とか生きていけています。
『夢が叶う方法!』ですが、色んな意味で本当に叶いましたね。夜に見る夢は未だに全て叶いますし。
それに、
あの動画を視聴していた時に持っていた、『まともな人生を歩みたい』って夢も、少なからず叶う方向に向かっていると感じます。
まあでも、未だに夢の中で怖いことを考えたら現実になるのがすごく嫌ですね。
やっぱりあれですかね。
初日の夢が叶うまでは終わらないんでしょうね。



























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