「知らん知らん、子供がそんなこと聞くもんじゃない」
まるで良くないことを聞いた時のような反応に戸惑ったことを今も覚えている。
それで私は週末の休日を使って、そこに行くことにした。
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秋晴れの空の下、午後から車を北へ北へと走らせた。
出勤の時はボンヤリとしか見えてなかったが、近づくにつれ徐々にその姿をはっきりとさせてくる。
やはりそこは単なる住居ではないようだ。
例えていうと、イスラム教の寺院モスクのような外観だった。
山の麓に小さな街らしき一帯があったから昼食でもとろうと、そこに立ち寄ることにする。
道路沿いにある軽食喫茶の前に車を停めた。
昭和レトロ感満載のこじんまりとした店内に、客は誰もいない。
窓際のテーブルに座ると、白ワイシャツに蝶ネクタイをした初老のマスターにカレーを注文した。
食事を終えコーヒーを啜りながらボンヤリ窓の外に視線をやっていると、ちょっとおかしなことに気付く。
歩道を行き交う人々の姿の中に白いワンピースを着た人がいる。
スキー帽のような白い帽子をかぶり、足首くらいまでの長い丈の白いワンピースを着ている。
そんなに多くはないのだが、格好が格好なだけに目につくのだ。
男性もいれば女性もいる。
子供もいた。
何か宗教がらみの人たちだろうか?
私はマスターを呼ぶと、そのことを尋ねてみる。
彼は穏やかだった顔を少し曇らせると、こう言った。
「あんた土地の者ではないだろ。
だったらあんまり首を突っ込まない方がいいよ」
























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