やがて、コタツの上に並べられた紙切れ18枚は、意味のある文章へと変化した。
Mさんは、それを見たとたん、何者かに心臓をみしみしみしと鷲づかみにされた。
「これ みたやつ のろい かかる しぬよ まじで」
突然、後頭部からうなじにかけて、激しい痛みに襲われた。
キーン
耳鳴りとともに
ぐわんぐわんぐわん
鈍い轟音とともに、梵鐘をかぶせられたかのような圧迫感と閉塞感に襲われた。
すぅと意識を失いかけたその時、
「お父さん。お父さん。しっかりして。」
買い物から戻ってきた妻と次女の叫び声に我に返った。
「顔色めっちゃ悪いし…。具合でも悪いの。」
「救急車よぼうか。」
今にも泣き出しそうな妻。
恐怖に歪み、大声で叫び続ける次女。
ふたつの顔が、Mさんをのぞき込んでいた。
こくん
と首を縦に振り、だるそうに身を起こそうとするMさんを次女は、背後から支えた。
その刹那、次女の目に、こたつの上に並べられた18文字が飛び込んだ。
「ちょっと、何これ。気持ち悪い。」
即、いまいましいとばかりに、18文字が書かれた紙を ぐるぐる丸めゴミ箱に投げ捨てた。
幸い事なきを得たMさんだったが、大晦日にもかかわらず、年越しそばも食べることなく、除夜の鐘もきくことなく早めに床に就くことにした。
元旦は、初詣にもお年始にも行かなかった。
妻が誘っても、長女夫婦が訪ねてきても、もうじき、1月も終わろうというのに、ずっと引きこもり気味だという。
件の絵馬については、その後、発見されていない(らしい)。


























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