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不思議体験

華 木耳さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

赤い傘
短編 2026/01/14 15:15 107view

いつもの通学路の傍に1本の傘が立てかけられていた。
外側に黒い糸で刺繍された赤い傘はどことなくあたりの雰囲気とは
そぐわない洋物でどこか異質な感じがして私はすぐに傘から
目をそらし足早に通り過ぎました。
きっとだれかの忘れ物か、壊れてて捨ててあるのだと思い
家に着くと玄関の傘立てに…赤い傘がありました。
一瞬ぎょっとしましたが、それは姉の使っている別の傘で
ほっとしながら部屋に上がり、自室に入りました。
宿題も終えて、ベットで漫画を読んでいるとそのまま寝落ちし
夢を見ていました。
私が立っているのはあの通学路、周りに人気はなく
少しもやがかかっているようでした。

意識はあるものの、どこかぼんやりとしていて
足が自然と歩き出します。
少し進むとあの傘がありました。
さっき見た時よりさらに赤くどこか異様な雰囲気。
私は頭の中でなんども止まれ止まれと念じましたが、
歩みは止まらず、とうとう傘が目の前に。
嫌だ嫌だと思いながらも、手は勝手に傘に伸び柄の部分を掴む。
しっとりと濡れているそれを開くと、息を呑むほどの美形な顔が
内側に存在しこちらを見つめていた。
思わず目があうと、その見覚えがあるような無いような特徴無い顔は
ニッコリと笑いこちらに話しかける。

「ありがとう…ずっと待ってたのよ…これでいいの。

 あなたは私…私はあなたなの…。」

その顔はそのまま微笑みつつ霧のように消えてしまう。
そこで目が覚めた。
窓の外は暗く、リビングの方からは姉や両親の声がする。
部屋から出て行くと、母が呆れたようにこちらを見つめる。

「今まで寝てたの?何度も夕飯だって言ってるのに。」
「ごめん…お姉ちゃんは?」
「…何言ってるの?」
「は?いやお姉ちゃんもいたでしょ?」
私は母のとぼけた顔に少しイラついた。
確かに部屋から出る際に姉が目を横切るのを見たし、
リビングにも母の横に誰かいた形跡がある。

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