祖父は竹林を眺めつつそう言うと、黙って足早に通り抜ける。
少し強くなった僕は祖父の手を握り、下だけを見ていた。
竹林を過ぎたあたりで顔を上げると、祖父が青ざめた顔で息を荒くしていた。
「どうしたのおじいちゃん?」
僕が不思議そうに尋ねると祖父は…
「御竹様がお前を呼んどった…竹林の中から何度も
いろんな声で呼んどったよ…気に入られたようだな…」
祖父はそう言うとそのまま僕の手を引いて家に戻った。
それから数日して祖父に別れを告げる頃、
別れぎはに祖父から『くれぐれも竹林には入らん事』と言い含められた。
僕は昨日の事もあり少し怖くなりながらも祖父と約束した。
帰りは父の車で山道を降りていく。
大きな木々の間を抜けて行くと小さな祠が目に入った。
そこにはおくるみを抱いているお地蔵さんが立っていた。
なんにげなく眺めつつ、その場を通り過ぎると
アスファルトの敷かれた公道に出ました。
父に先ほどの祠の事を尋ねると、少し変な間が空いてから
こう答えてくれました。
「大丈夫、お前は大丈夫だから…御竹様の子供だから」
その時は父の言葉が理解できませんでした。
それから数年して、ふと気になって調べた事があるんです。
『おくるみを抱いたお地蔵さん 竹林』
検索結果は子宝系の祈願などがずらりと出てきましたが
その中に一つだけ異質なものがあったんです。
『御竹地蔵』
内容を見てみると、明確な場所は伏せてあるものの
僕の祖父の住んでる山の事でした。
そして…あのあるおくるみを抱いたお地蔵さんについても
『御竹地蔵は子宝に恵まれない夫婦がお供え物をして
祈願する事で子をなす事ができる言い伝えがある。
そのうちに生まれる子供は病気一つせず育つ。』

























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