Sの突然の要請に俺は少し面食らったが、最後は承諾することにした。
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それで翌日、午後3時からあらかじめ送ってもらっていた位置情報を頼りに家に向かう。
そこは市郊外の住宅街の外れにあった。
適当なところに車を停車し薄暗い竹林を抜けると、ところどころ朽ちた瓦屋根の古い日本式家屋が視界に入る。
建て付けの悪そうな入口扉をがらがらと開け一声かけると、黒光りする廊下の奥から「上がれよ」というSの声。
この時何だろう?一瞬生ゴミの腐ったような臭いが鼻を掠めたが特に気にせず廊下を進むと、扉を開け中に入った。
そこは8帖ほどの居間のようで、Sが部屋の真ん中にある掘炬燵に座り、微笑んでいる。
「座れよ」と言われ、彼の正面に座った。
ぐるりと見渡す。
縁側に続く障子、天井辺りを張り巡らせた木製の梁、レトロ感満載の和家具、、
正にTHE昭和という風情だ。
それとなく携帯に視線をやると、時刻は午後3時50分。
しばらくありきたりな世間話の後、俺は気になっていたことをSに尋ねた。
「陰陽師というのは、一体どんなことをやる人なんだ?」
「調べてみたんだが、
古代の頃から続く神職で、陰陽五行説を基に暦を作成したり天体観測、方位判断、占いや呪いを行うらしい。
特に彼らの行う『蘇生の儀礼』というのは、十種神宝(とくさんのかんだから)という神聖な道具を用いて死者を甦らせるそうだ」
俺は聞き慣れない言葉を復唱する。
「とくさんのかんだから?」
この話は怖かったですか?
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