「おーい」
男が唐突にそう叫んだ。
「な、なんだよ・・・」
思わず掴んでいた襟首を放し、後ずさりする。
「おーい、おーい」
「どうしたんだ急に」
男にはまるでこちらの言葉が聞こえていないようだった。
天井を仰ぐようにして、その言葉を連呼し続ける。
「おーい」
「なんなんだよお前!」
途端、男がぐるりと顔をこちらに向けた。あの嫌らしい笑みを再び顔に浮かべる。
「だから言ってるじゃないですかぁ、知らない方がいいって」
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