嫌だったが、決まってしまったものは仕方ない。覚悟を決めて、指で触った。触った瞬間、シャリというような音がなり、感触は、雪のようであった。
だが、何も起きなかったがAとBもせっかくなので触りたいというので後ろの方へ俺は移動した。そして、Aが触ると女性のような声で何を言ってるかは聞こえなかったが、この中の誰かが発した言葉では無いことは理解できた。
俺は、直感から恐怖を感じ逃げようとしたが体が動かない。
分かりやすく言えば金縛りを受けたような状態だった。
そんな状態なのに女の声は大きくなっているのが分かる。
実態は見えず、脳内に直接語りかけてくる。その声の大きさがどんどん大きくなっていく。
俺は恐怖から、腰が抜けて尻もちをついた。
そして、後ろへ転がり急な斜面を滑った。
滑り落ちた先が落ち葉で、特にケガは無かった。
この状況にひとまず安心したが、AとBがいないことに気付いて大人に報告するしかない。そう思い、村の方へと走った。
そこまで距離はなく、さらにすぐ大人が見つかったので事情を話すと、慌てながら他の人を探しに行った。
数分後、大人たちが俺の方へと来て腕を引っ張り、真っ暗な部屋へ入れた。
外から大人が、俺らがドアを開けるまで出るな。と言い、離れていった。
言われた通りにしようと思い、静かにしていたが頭の中にさっきの声が語りかけてくる。
小さくなったと思ったら、今度は意味の分からないお経のようなものまで聞こえてくる。
頭がおかしくなりそうだが、必死に一筋の光があることを望み、ただ願い続けた。
突然眩しい光が入ってきて、俺は目を覚ました。
どうやら、意識を失っていたみたいだ。
そして、部屋を出て村長の家へ連れて行かれた。
そこでさっきの事を具体的に説明された。
要約すると、あの雪はこの地域に住む、妖怪の住処らしい。名前は「おしろさま」と言い、近づかなければ害はないので、対策はしてないらしい。
だが、子供が近づかないように、あの言い伝えをしている。
実態を見た者は、さらわれてしまったのでいないようだ。
見なくても呪われることがあるので、黒い部屋で隔離されることで対処している。俺が入れられた部屋は、それをする専用につくられたらしい。
また、立ち入り禁止のエリアに村長が来たのは、供え物をするためだったらしい。
俺は、友達のことを聞いたが、はっきりと答えてくれなかった。
数日後、登校日となった。Bが既にいたので話しかけると、さらわれるぎりぎりで助けられたらしい。足にケガのような後があったので聞いてみるとBは医者に凍傷していると言われたようだ。
もっと聞こうと思ったが先生が来たので一旦諦めることにした。
だが、俺は違和感を感じた。
まるで、魂がないような感じで会話の内容に自分の意思が無いように思えた。























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