しかも、銀座の高級コスメショップや女性用ランジェリーの店
ブランドのブティックばかりのレシートがあった。
翌日徹は、高校生から通い始めていたメンタルクリニックに
足を運んだ。
中学生の時期から、身に覚えのない行動が目立つようになり
その頃、親戚の家にあずけられていたため、親戚のおばが
一度カウンセリングを受けた方がいいんじゃないかということで
その頃から、今まで定期的に通っている。
カウンセリングを受けているとき、突如として徹ではない
違う人格が現れた。
それまでは、カウンセリング中に異変は一度もなかった。
徹の症状は、PTSDだと診断されていたのだ。
幼少の頃の強いトラウマが原因ではないかと、中野は思っていたが
徹の異変を目の当たりにした中野は、静かに言った。
「森川さん、あなたの病気は、解離性同一性障害の
疑いがありますね。」
そしてその事件は、突然ニュースになった。
「歌舞伎町で殺人事件がありました。容疑者は不明、
防犯カメラには何も映っておらず・・・」
その被害者は、かつて徹の店でクレームをつけ
暴言を吐いた中年の男だった。
行きつけのクラブのホステスに連れられ飲みに来たが
ホステスが指名した徹にやきもちをやき、散々暴言を吐き
帰っていった客だ。
だが、徹は“知っていた”。
夢の中で、自分——いや、“リサ”が
その男の首を締め上げる光景を見た。
濃厚な香水の匂いと、微笑みながら相手を殺す感触。
「バイバイ、クズ男」
その声は、自分の中から聞こえてくる。



























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