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ヒトコワ

ゆきんこさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

レオ君のパパ
長編 2025/10/14 09:08 4,867view
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いつもなら、小さい子つれたママさんグループなんかもいるんだけど。
もうすぐ雨が降るせいか、公園は珍しく誰もいなかった。
俺は当時かなり抜けた子だったから、もうすぐ雨降るよ! って教えてくれたことなんか公園まで歩いている間にすっかり忘れちゃって。
マジか、ほとんど誰もいないじゃんって公園を練り歩いていた。

するとレオ君のパパが、同じ学校で班が同じの4つ下のRと何か話してたんだ。
Rも俺と同じように、今日は習い事の友達が多い日でかつ風邪の休みが重なったのか一人だった。

「R!」
誰もいないと思ってたけど、知ったやつを見つけて俺は思わずRの名前を呼んだ。
親にも注意されていたけれど、俺は感情の振れ幅によって声が極端にでかくなる。

そんなつもりはなかったけど、誰も知ってるやつがいないと思っていたけれど、知ってるやつをみつけてうれしかったせいか、結構でかい声だった。

「俺君だ!」
Rも同じ気持ちだったのか、振り向いて俺に手を振ってきた。
ただレオ君のパパは俺がかけよるより先に。
「雨降りそうだから、また今度ね~」
といって雨粒でも当たったのかレオ君のパパはレオ君を小脇に抱えると足早に去っていった。

「えー」
Rが残念そうにそういった。
「レオ触れなかったのか?」

「違うよ。レオに子犬が産まれたんだって」
「子犬!?」
「まだ小さいから公園には連れてこれないんだけど、よかったら見に来るって言われたの」
「えー見たい見たい」
「私も」
「追いかけようぜ!」
当時の俺は馬鹿だった。
「うん!」
Rもまだ幼くて子犬が見たいって気持ちで動いてたんだと思う。

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