数日後、蓮次郎は中原めいこの「鏡の中のアクトレス」を聞いている時に小杉から連絡が来た。
「あ、蓮次郎さん。あなたの「宇佐見の怪奇手記」の出版が決まりました。それとM子さんの事なんですが、僕たちがM子さんの話した翌日に退職代行を使って、出版社を退職したようなんです。僕は気になって彼女が住んでいるタワマンに行きましたが、引っ越し済みでした。これは同僚数名から彼女の事に関して聞いたのですが、M子さんは社長から金を貢がせるだけでなく、横領やピンハネを行ったことが分かりました。蓮次郎さんの指摘する通りでした。上役たちは探偵を雇って、M子さんの行方を探すつもりなんです」
「小杉。あの女は今はどこかに潜伏して、潜伏期間が終わるとまた狩りを始める。私たちが彼女の事を知っていても、彼女の事を知らない連中の前に現れるぞ。彼女は新しい獲物(金づる)を探し始めるんだ。ボブ・ラフェルソンのサスペンス映画「ブラック・ウィドー」のキャサリンみたいにな」
終わり
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