ある一家の誕生日の悲劇

ゲーム会社と映画会社を経営するヤンエグ、湯栗屋霊夢は腕時計を見ながら、知り合いのゲームショップの店長が来るのを待っていた。なぜなら、今日は霊夢の知り合いの大手食品メーカーの社長令嬢、イチコの誕生会であったからだ。霊夢並みのシネフィルでコアゲーマーのイチコはフリーターのイチオと結婚している。ちなみにイチコは専業主婦でありながら、家事を一切せずゲーム三昧である。旦那のイチオはというとイチコの親の金を使って、高級ブランド物を購入したり、キャバクラやトルコに行ったり、海外旅行に行ったりと散在しまくっていた。霊夢は
「セレブっていいな・・・」
と呟くながら、七尾与史のミステリー小説「死亡フラグが立ちました！」を読んでいた。その時、車のクラクションが鳴った。霊夢は道路のほうを見る。そこには先代店長の日産・シルビア(S110型)の3ドアハッチバックが停車していた。霊夢はシルビアに乗り込む。シルビアの車内には店長が座っていた。
「霊夢。待ったかい？」
店長はいう。霊夢は
「時間的に大丈夫だったよ」
と答える。店長はシルビアを発進させた。

さて、霊夢たちが乗ったシルビアはイチコの自宅に来ていた。霊夢はシルビアから降りると、イチコの自宅のチャイムを鳴らす。玄関のドアが開かれた。そこにはイチコが立っていた。イチコは
「霊夢、スカーレット。来るの早かったわね。まぁ旦那の両親も来ているからさ」

と言って上がらせる。ここで霊夢は思った。イチオの姉は来ていないのか？ということだった。イチコは
「キチコは今日が結婚式だから来れないと言っていたわ。まぁキチコの奴は私の事を庶民、庶民と言ってバカにしているんだけどさ。それにキチコの結婚式なんぞより私の誕生日のほうが優先なのよ」
と笑う。リビングにはイチオが煙草をふかしながら、PS2のスポーツゲーム「トニー・ホーク プロスケーター3」をプレイしていた。リビングでランチができるのを待っている時、イチコが雇った調理師のおっさんがふぐ刺しにふぐちりといったフグ料理を持ってくる。イチオとその両親はテーブルに置かれたフグ料理をバクバク食べ始める。さて、イチコは
「そういえば、キチコの旦那が地方の食品会社の社長の息子だということ知っているわよね？」
と霊夢に質問し始める。
「まさか、キミの両親が経営している大手食品メーカーが倒産・・・いや、買収する会社かい？」
「ええ。もう、うちの会社の連中の手によって買収済みよ。結婚式を終えた直後にキチコ旦那の会社は倒産しているわ」
イチコはほくそ笑む。その時、イチコのスマホから着信が来る。キチコからだった。キチコは
「イチコ。さっさと結婚式に来なさい！」

等と言ってキーキー騒いでいた。イチコはニヤリと笑って
「悪いけど、あなたとは縁を切るわ。それとあなた。私の正体に気が付いているのかしら？」
「何よ。あんたの正体って・・・」
キチコはそう言いかけた時、幽閉サテライトの「色は匂へど散りぬるを」を歌い始めた。キチコは
「まさか、あんた！私が昔、放火したボロアパートに住んでいた母娘の生き残りか！」
と狼狽する。フグ料理を食べていたイチオとその両親は苦しみ始めた。どうやらフグの毒にやられたらしい。イチコは
「そう私はママを焼き殺したあなたに復讐をするため、底辺庶民のイチオと結婚したのよ。今日は最高の誕生パーティーだわ！HAHAHAHAHAHAHAHAHA！」
と大笑いした。玄関からチャイムが鳴る。宅配ピザの業者であった。こうして、霊夢と店長、イチコは宅配ピサを食べながらイチコの誕生会を楽しんだ。

その後、イチオとその両親はフグの毒で死亡した。イチオとその両親の死体は民家の井戸に放り込んでおいた・・・んだけど、霊夢が井戸の中を見たら、老女と男性の死体が見つかった。老女と男性を殺害した犯人は民家に住んでいる主婦だった。主婦の話だと、民家にある井戸が邪魔なので埋めたら、自身は子供を流産し、旦那はリストラ、姑に文句を言われ、井戸を掘った後、糞姑をシュマイザー・MP40短機関銃で射殺した後、井戸に放り投げた。それでも怒りが収まらないので働かない𧏚潰しの糞旦那をシュマイザー・MP40短機関銃でハチの巣にした後、井戸に放り込んでいた。なお、主婦は今、旦那と姑の幽霊に悩まされているという事であった。霊夢は
「そんな事はどうでもいい」
と言って、イチオとその両親の死体を井戸に放り込む。さて、キチコの旦那の会社はイチコの大手食品メーカーの手によって倒産した。家と両親を失い路頭に迷ったキチコはイチコが雇ったヤクザ達に追われながら生活しているのだ。