俺は言われるまま、玄関に上がらせてもらった。
中に入ると、外見以上に古びていて、空気はひんやりとして湿っていた。
床板はところどころ軋み、踏むたびにギシッと音を立てる。壁の板にはところどころ黒ずんだシミがあり、古い柱時計の針は止まったまま時間を刻んでいない。
天井からは蜘蛛の巣が垂れ、ぼんやり差し込む光が埃に揺れている。
家具も古く、ほとんどが木製で、座布団や食器も何十年も使われていないような色褪せたものばかりだった。
ひょっとこの男は、面をつけたまま俺の前に立ち、首をかしげて言った。
「おじさん……名前は?」
俺は少し戸惑いながらも、恐る恐る自己紹介した。自己紹介すると、男はくるりと振り向き、少し体を揺らしながら、明るく答えた。
「僕はシバって言うんだ。よろしくね」
その声は、面越しでもにこやかで、人を安心させる何かがあった。
シバは軽く頭を傾げ、続けた。
「今から、兄さんたちに紹介させるね」
その言葉に、俺は胸がざわつきつつも、なぜか恐怖よりも好奇心が勝る気がした。
シバに促され、俺は家の中央の囲炉裏の前まで案内された。
囲炉裏の灰は長く手入れされていないようで、黒ずんだまま積もっている。木の匂いと煤の匂いが混ざった空気の中、三人の人物が座っていた。
皆、シバと同じく山伏のような白い袴に白足袋、そして古びた仮面をつけている。
「……こっちが、僕の兄さんたちだよ」
シバの声に、俺はそっと視線を向ける。
まず、天狗の面をつけた男イチダ。
その体はぐったりと力が抜け、まるで生きているのか死んでいるのかも分からないような無気力さだった。
顔は常に傾いており、仮面越しなので視線はまったく読めない。






















読みやすくてめっちゃ好き 話の内容が入ってきやすい
すっごく怖くて久しぶりにゾクゾクしました。
久しぶりにゾクゾクしました。
↑マジそれな、今まで読んだ中で1番最高だわ
ハゲ碓井みたいだな