のちに調べてわかったが、それは山伏のような格好、白い袴に白足袋を履き、腰には古びた数珠のようなものを下げていた。
面越しに、ギョッとしたような気配を感じた。
それは、まるで子供が初めて知らないものを見て驚いたかのような仕草だった。
「……わあ!」
甲高い幼い声が、男の面の奥から弾けた。
その声は驚きと同時に、どこか嬉しげでもあった。
すると、ひょっとこの面の男は小走りでこちらへ近寄ってきた。
顔をぐいっと俺の眼前に突き出す。
間近で見ると、その面は古い木で彫られたものらしく、角が擦り減り、ところどころにヒビが走っていた。朱色の塗料も剥げ落ち、目や口の縁には黒ずんだ汚れがこびりついている。妙に湿った匂いまで漂ってきて、俺は思わず息を止めた。
「おじさん、山の外から来た人?」
声はまるで子供がはしゃぐように無邪気で、面の口の穴から吐き出されるように響く。
ぐいぐいと迫ってくる様子に、俺は戸惑い、思わず一歩後ずさった。
心臓が早鐘のように鳴る。
助けを求めていたはずなのに、目の前の存在は人間なのかどうかすら分からなかった。
「もしかして……おじさん、迷ったの?」
ひょっとこの面の奥から、また子供のような声がした。
俺は息を呑み、言葉を失ったが……恐る恐る小さく頷いた。
すると、男は面越しににかっと笑ったように見えた。
声も弾んで、どこか安心させるような調子になる。
「そっか。じゃあ、ちょっと待っててね」
そう言うと、ひょっとこの男はすっと家の中へ戻っていった。
暗い室内に、足袋の足音だけがトン、トン、と響いていく。
十秒以上が過ぎた頃…ギィ、と再び扉が開いた。
顔を出した男は、今度は弾んだ声でこう告げた。
「泊めてもいいよって、兄さんたちが言ってるから。……今晩はここに泊めてあげる」






















読みやすくてめっちゃ好き 話の内容が入ってきやすい
すっごく怖くて久しぶりにゾクゾクしました。
久しぶりにゾクゾクしました。
↑マジそれな、今まで読んだ中で1番最高だわ
ハゲ碓井みたいだな