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妖怪・風習・伝奇

kkさんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

山の中で出会った兄弟の話
長編 2025/09/23 19:53 31,475view
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ただ、少なくとも俺やシバを見ている様子はなく、何もない空間をぼんやりと見つめているようだった。

次に、鬼の面をかぶったニヤマ。

その筋肉は明らかに異常で、他の三人と比べると二メートルはあろうかという巨体だ。

腕や肩の盛り上がった筋肉が動くたびに、白袴が張り裂けそうに見える。

そして、明らかに俺とシバに視線を向けていた。

その視線の重さに、思わず息を呑む。

最後に、翁の面をかぶったミヨシ。

三人の中で一番小柄で、子供のような体格だ。

肩をすぼめ、体を抱きしめるように震えている。

怯えた仕草は、俺が目を逸らせないほどに切迫していて、しかし何に怯えているのかは分からない。

囲炉裏の揺らめく火で、三人の仮面が影を落とす。

その影は不規則に揺れ、まるで人の形をした何かが蠢くように見えた。

俺は喉の奥が乾き、無意識に手を握りしめた。

ここに座る兄弟たちの存在。いや、息づかいですら、どこか現世のものではないように感じられた。

「そうだ!おじさん、一緒にご飯を食べよう!」

シバは楽しげに言い、俺をちらりと見てにっこり笑った。

「ニヤマ兄さんが仕留めた猪があるんだ。今日は猪鍋だよ!

ニヤマ兄さん!運ぶの手伝って!」

すると、巨体のニヤマが無言で立ち上がる。

木でできた太いオタマを手に持ち、もう一方で大きな鉄製の鍋を抱えて移動してくる。

シバは、土で作られたような皿と箸を手にして、何だか幼いような仕草で器用に持ち運んでいた。

鍋の中には、雑に大きめに切られた猪の肉と、何か草のようなものが混ざっていた。

匂いは、山の匂いというよりもどこか生々しく、俺の胃袋が思わずぎゅっと縮んだ。

シバは鍋を囲炉裏の上の紐に吊るし、ぐらぐらと揺れる火の光に反射する肉を見ながら、楽しそうに微笑む。

ニヤマも鍋を支えながら黙々と火の近くまで運んでいった。

囲炉裏の火で鍋がグツグツと煮えると、ニヤマがオタマを手に取り、土でできた皿を差し出した。

鍋から猪の肉や草を大きくすくい取り、皿に盛る。その皿を、シバが手早く兄弟たちに配っていく。

4/10
コメント(5)
  • 読みやすくてめっちゃ好き 話の内容が入ってきやすい

    2025/09/25/09:24
  • すっごく怖くて久しぶりにゾクゾクしました。

    2025/10/01/19:08
  • 久しぶりにゾクゾクしました。

    2025/10/01/19:08
  • ↑マジそれな、今まで読んだ中で1番最高だわ

    2025/10/05/17:45
  • ハゲ碓井みたいだな

    2025/12/20/09:22

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