ただ、少なくとも俺やシバを見ている様子はなく、何もない空間をぼんやりと見つめているようだった。
次に、鬼の面をかぶったニヤマ。
その筋肉は明らかに異常で、他の三人と比べると二メートルはあろうかという巨体だ。
腕や肩の盛り上がった筋肉が動くたびに、白袴が張り裂けそうに見える。
そして、明らかに俺とシバに視線を向けていた。
その視線の重さに、思わず息を呑む。
最後に、翁の面をかぶったミヨシ。
三人の中で一番小柄で、子供のような体格だ。
肩をすぼめ、体を抱きしめるように震えている。
怯えた仕草は、俺が目を逸らせないほどに切迫していて、しかし何に怯えているのかは分からない。
囲炉裏の揺らめく火で、三人の仮面が影を落とす。
その影は不規則に揺れ、まるで人の形をした何かが蠢くように見えた。
俺は喉の奥が乾き、無意識に手を握りしめた。
ここに座る兄弟たちの存在。いや、息づかいですら、どこか現世のものではないように感じられた。
「そうだ!おじさん、一緒にご飯を食べよう!」
シバは楽しげに言い、俺をちらりと見てにっこり笑った。
「ニヤマ兄さんが仕留めた猪があるんだ。今日は猪鍋だよ!
ニヤマ兄さん!運ぶの手伝って!」
すると、巨体のニヤマが無言で立ち上がる。
木でできた太いオタマを手に持ち、もう一方で大きな鉄製の鍋を抱えて移動してくる。
シバは、土で作られたような皿と箸を手にして、何だか幼いような仕草で器用に持ち運んでいた。
鍋の中には、雑に大きめに切られた猪の肉と、何か草のようなものが混ざっていた。
匂いは、山の匂いというよりもどこか生々しく、俺の胃袋が思わずぎゅっと縮んだ。
シバは鍋を囲炉裏の上の紐に吊るし、ぐらぐらと揺れる火の光に反射する肉を見ながら、楽しそうに微笑む。
ニヤマも鍋を支えながら黙々と火の近くまで運んでいった。
囲炉裏の火で鍋がグツグツと煮えると、ニヤマがオタマを手に取り、土でできた皿を差し出した。
鍋から猪の肉や草を大きくすくい取り、皿に盛る。その皿を、シバが手早く兄弟たちに配っていく。























読みやすくてめっちゃ好き 話の内容が入ってきやすい
すっごく怖くて久しぶりにゾクゾクしました。
久しぶりにゾクゾクしました。
↑マジそれな、今まで読んだ中で1番最高だわ
ハゲ碓井みたいだな