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不思議体験

nickningenさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

悪霊の神社
長編 2025/09/05 00:16 28,907view
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家に帰ると母が鬼の形相で立っていたが、
父の意気消沈した様子を見ると気勢が削がれたようだ。
「手を洗って、早くご飯食べて!」
それだけ言うと台所に引っ込んで行った。
こんな重苦しい気分で父と食事を取るのは初めてだった。
父は食事を終えると、
「今日のことを母さんに話さないといけない・・・。
お前は先に寝てろ。
でも、何かあったら父さんを呼ぶんだ。
いいな?」
そう言って母と仏間の方に行ってしまった。
寝支度をすると、僕は縁側で寝転んでいた。
星空には雲がかかり、月を覆い隠していた。
その時はいつ来るのだろう。
僕が消えるならまだ良い。
岬は無事だろうか。

せめてそれを確認したいと思った。

シャン

遠くで鈴の音が響いた。
その音はどこまでも響き渡るようにとても澄んでいた。
これがその時なのだろうか?
この不自然な状況をすんなり受け入れてしまう僕はどこかおかしくなっていたのかもしれない。

シャン

星空を覆う雲が晴れる。
岬の家も僕の家と近い。
不安が腹の奥底から鎌首をもたげる。

シャン

風で木々がざわめいている。
鈴の音はさっきよりも近づいているような気がした。
僕は裸足で岬の家に向かって駆け出していた。
一定間隔で鈴の音は鳴り続けた。
岬の家に近づくほど、鈴の音に近づいていた。

風が木々と青葉の匂いを運んでくる。
家々を囲む石垣が次々と後方へ流れていく。
岬の家の石垣で止まり玄関へ向かおうとすると、誰かが玄関に立っているのが見えた。
いつの間にか鈴の音が鳴り止んでいた。
それは女性の後ろ姿だった。
夜の暗闇に不自然なほどはっきりと浮かび上がっていた。
朱、深緑、薄桃の着物には金の刺繍で木の枝と葉があしらわれていた。
長い黒髪は結い上げられて白くしなやかな頸がのぞいていた。
拝殿の奥で蠢く影を思い出していた。
月明かりがより一層、その存在を浮かび上がらせる。
それが岬を迎えに来ていると瞬時に理解した。
駆け出そうとしたが、なぜか身体が少しも動かなかった。
木々のざわめきも聞こえないほど静まりかえっていた。
突如、玄関の硝子格子戸がガラリと音を立てて開く。
そこにはぼーっとした表情で岬が立っていた。
「ダメだ!!!!!」と叫んだが声にならなかった。
後ろ姿の女性が僅かにこちらに振り向く。
鮮やかな朱色の唇が微かに動く。

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コメント(2)
  • 随所に差し挟まれる小賢しいレトリックがいちいち鼻につく。
    このサイトの読者層には刺さるのかもしれないけど。

    2025/09/09/05:48
  • ちょっと意味がわからない

    2025/09/11/20:22

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