と、B君の声が聞こえてきました。
その声に安心した私達は走るのをやめ、自然とB君がいるであろう後ろをチラッと見ました。
しかし、皆は「それ」を見て、再び恐怖に包まれました。
私達の視界に入ったもの、それは、
B君の骨についた肉を食っている腕と足がが何本も生えていて、腕には多数の口、足には大量の目玉が付いた、痩せた少年の姿の化け物でした。
目の前の光景を見て、恐怖のあまり足がすくんで動けない人もいましたが、私は自分が化け物からB君と同じ目にあわないようにするために逃げるのでいっぱいでした。
グジャ バギャア ビキ カラン
化け物の姿、そしてB君だった物から、あの音、そして今している音の正体が一瞬で肉が引き裂かれ、骨が砕かれ、その後、その肉と骨を噛んでいたことによって出た音であることに気づき、私は恐怖で吐きながら、生きたいという思いで走ることをなんとか走り続けることができました。
バシャ バシャ グチャ グチャ バシャ パキポキ バシャ グチャリ バキャ グチャ
そんな今の状況を更に絶望させるかのように、あの化け物が出す音がますます激しく、何回も何回も繰り返し霧の中で響いていた頃、急に背後から聞こえていたおぞましい音が消えていきました。
化け物から逃げるという恐怖から抜け出すことが出来た私は、安堵からか涙が溢れ、足の力が抜けていました。
程なくして私達の行方を探していた担任の先生がここに辿り着き、私のところに来るまでの山道の状態を伝達と私に何があったのか説明を求めてきました。
どうやら、先生によると、複数の足跡があったものの、私以外の生徒が見つからなかったようです。
私は先ほど起こったことに対する恐怖がまだ完全に抜けきれておらず、混乱して上手くは出来なかったのですが何とか説明をしましたが、先生も私と同じように混乱して、一様村人に私が言ったことを伝えておくと言われました。
それから、村の人が私のことをものすごい形相で叱り、そして、今回起こったことについて私に伝えました。
昔、霧吹き村は、食料の確保があまり出来ておらず、村人は飢えに苦しんでいました。
加えて、霧吹き村と私が修学旅行で来た村の村長の関係は最悪であり、そういったものを送ってもらうようにとお願いしても、叶うことはありませんでした。
当然、そんな状態で暮らしていけるはずがなく、何人もの人が死に、その遺体を生きながらえた人々が食うという地獄のような環境になりました。
その結果、飢えによって死んだ人の怨念が集まり、あの化け物が生まれ、霧吹き村にいる人々を殺し、骨まで食うことを腹が満たされるまでするというなんともおぞましいことをするようになり、幾つものの霊媒師に霧吹き村の化け物を祓うように言ったが、あまりにもその化け物の怨念が強すぎて、今も祓われずにいるという。
そして、私が生きているのは、偶然にも、その化け物が私以外の班の人を食べたことにより今まであった溜まりに溜まっていた飢えが無くなったからであり、また飢えを感じたら化け物は再び人を襲うようになるだろうということです。
今でも私以外のあの班の子達は行方がわからずにいます。
それと、もし、山に行くなら霧吹き村には行かないようにしましょう。
私の時のようにあの化け物が食おうとするかもしれないです。





















そもそもそんな危険なところが修学旅行のコースに選ばれるかという疑問。