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水色夜空さんによる都市伝説にまつわる怖い話の投稿です

トウマくんとマユさん#2
短編 2025/08/15 15:52 922view

トウマくんとマユさんは、かなり悪質な化け物
なんです。

なぜって、どんなに非道な事をしても、彼らには悪意や後悔など無いのですから。
ただ無邪気に、知的好奇心を満たそうと、
人間を玩具のようにして遊ぼうとしている存在。
まさに妖怪というのがふさわしい。

彼らに一度狙われたなら、もう助からないと
思った方が良いでしょう。
彼らは、昼でも夜でも関係無く目を付けた人間の元に現れます。

赤ん坊に狙いを定めた場合、その生まれたての、魂が定着しきっていない身体に取り憑いて、その子の魂を喰って成り変わります。そして当たり前のようにその家の子供として育ててもらい、

この身体での生活に飽きたと感じたら全てを
無責任にほったらかして身体から離れ、
出て行ってまた別の標的を探すのです。
そうなったらその身体には、彼らが食べ残した元々宿っていた魂の一部が残るので、一応生きてはいますが、赤ん坊の頃から乗っ取られたせいで何も成長できていないので、廃人と化しています。

ある程度以上成長した人間を狙った場合、赤ん坊の時ほど簡単にはいかないので、その相手に話しかけて認識されることで精神を乗っ取るきっかけを作ります。その相手の元に人間らしい姿で
突然現れて、こう尋ねるんです。

「水晶は好きですか?」

この問いかけに、「はい」とも「いいえ」とも
答えてはいけません。だからといって、返答をせずにいてもいけません。彼らは、目を付けた人間に認識されるためだけに問いかけているので、
返答などどうでも良いのです。認識された時点で、もうあとは戯れに呪い殺されるか身体を乗っ取られる事がほぼ確定しています。この問いかけをされて助かるには、少し暴力に訴えなくてはいけません。現れたトウマくんとマユさんに向かって、

本気で助走をつけて体当たりしましょう。
彼らは世間知らずな未成年の状態で亡くなったので、まさか突然暴力を振るわれるとは思っていません。こうすれば、ひとまず一時的には、事なきを得られます。
しかし、彼らは一度目を付けた人間を決して諦めません。また、何度でも同じように語りかけてくるでしょう。二回目以降では、彼らは相手の前に姿は見せず、声だけで認識させてきます。
そうなれば、もう対抗手段はありません。
諦めてください。
一応、彼らから完全に助かる方法も無いわけではありませんが、おそらく実行は不可能です。
彼らは、煙水晶の水晶玉を依代にする事で現世に存在し続けているので、その水晶玉を適切な方法で処理すれば、その後彼らは消滅し、彼らの呪いも消え去ります。しかし、まずその水晶玉がどこにあるのかがわかりません。わかったとしても、
彼らは特殊な存在なので、その適切な処理方法が
わからない以上は手を打ちようもありません。
ただ砕けば良いという話では無いのです。

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