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不思議体験

SNNNさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

ゆびきり
短編 2025/08/08 19:19 2,018view

「えっとね、せんきゅうひゃく、ななじゅうさんねん」

1973年。
私はもちろん、その年に生まれていない。
まして妹がそんな年号を知っているはずもない。

「……誰とゆびきりしたの?」

声が震えるのを抑えながら尋ねると、妹はにっこり笑って言った。

「おにいちゃんだよ。まえの、おにいちゃん。
いまはべつのおかおだけど、めですぐわかった」

それからも、妹は何度も同じことを繰り返した。
小さな小指を絡め、「ゆびきりしたもんね」と笑いながら。

気味の悪さを感じながらも、ままごとの延長だと自分に言い聞かせた。

──だがある日、妹の部屋で見つけてしまった。

机の上に隠すでもなく置かれた日記。

そこには、小学一年生とは思えない整った字で、こう書かれていた。

「貴方は私との約束を忘れてしまったのですね。
指切りまでしたのに。非常に残念です。
ですから、今世では――」

気分が悪くなり、それ以上は読めなかった。

その夜、母が笑いながら言った。

「あの子ね、寝る前に必ず“おにいちゃん、ちゃんと約束守ってる”って言うの。

あんた、妹に優しいのね。ありがとう」

──違う。
私は何か別の“誰か”がした約束を守らされているだけだ。

そして昨日。

私の勉強机に一枚の紙が置かれていた。

黄ばんだ便箋に鉛筆でこう書かれている。

「次は、絶対に破らないように。
お前だけは、許さないから。」

今夜も、妹とリビングでジュースを飲んでいる。
隣でにこにこと笑いながら、私の手を握ってくる。

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関連タグ: #テレビ#声#学校
コメント(2)
  • こういった話はよくききます。妹さんはなにかに取り憑かれていたのかもしれません。

    2025/08/10/13:00
  • 前世の記憶…なのか?

    2025/08/13/12:13

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