張り込み当日午前0時頃、警察から連絡があった。
張り込みを開始し、ポストに怪しい人物が現れたら、投函を確認し取り押さえるとのことだ。
私もドアスコープを覗き込み、その瞬間を見届けようと思った。
午前2時、大男が現れた。
心臓の動悸が高まる。
よし、来た。
なんでこんな事をしているのか、警察が聞き出してくれるだろう。
大男がゆっくりと赤い手紙を取り出した。
まだ、警察は来ない。
大男がポストに手紙を投函した。
まだ、警官は来ない。
まだか?そろそろ来てもいいんじゃないか?
大男が振り向く。
その顔は照明を拒絶するように影が張り付いていた。
まだ、来ない、警察がまだ来ない。
大男がこちらにゆったりとした歩調で歩いてくる。
なんで、まだ捕まえにこないんだ?
本当に張り込んでいるのか?
大男がドアの前で止まる。
ゆっくりとドアスコープ越しにこちらを覗き込んできた。
その目の奥に広がる深淵を覗き込んでしまった。
警察は…?
誰も私を助けにこない。
ドアノブがガチャリと音を立てて回る。
びっしょりと汗をかき、背中にTシャツが張り付いていた。
鍵はかけた…はず…。
蝶番の奇妙な声が響く。
なぜ…?
警官は深夜の張り込みに疲れを感じていた。
それでも、問題のポストに現れる不審者を捕らえるべく、目を擦りながらポストを監視していた。
「2時頃って言ってたよな…?」
あらかじめ用意していた缶コーヒーを飲みながら呟いていた。
「もう3時回るぞ。来るならさっさと来いよ。」
深夜勤務のストレスのせいか独り言が止まらない。
空が白んできて、日が昇る頃になる。
そして朝になっても不審な人物は現れなかった。
冷やかしだったか?
苛立ちを感じながら、被害者に張り込み結果を報告すべくアパートに向かう。
部屋の前に行くと、扉が半開きになっていた。






















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