その日はいつもの公園でかくれんぼ。
鬼は確かこうたろうだったかな。
僕にはとっておきの隠れ場所があった。
公衆トイレのすぐ横にある木を登ると、公衆トイレの屋根の上に飛び乗れるのだ。
トイレの中ならまだしも、まさか屋根の上に隠れているなんて、誰も思わない。実際、1度も見つかったことがなかった。
いつものように、木に登り、屋根の上に飛び降りようとした。しかしその日は偶然にも手を滑らせて、木から落ちてしまった。
顎をトイレの屋根にぶつけて、地面に落ちる頃には、気を失っていた。そして、目が覚めると辺りはもう夕暮れだった。色々と痛い。誰も見つけてくれず、助けてもくれなかった事実に、少し悲しくなった。
その時、視線に気がついた。
周りを見渡すと、数人、僕を見ている子がいる。知らない子達だ。どこの学校の子だろう。
こんな無様なところを見られて、無性に恥ずかしくなった僕は、無事をアピールするために、急いで立ち上がった。
それを見ていたその子たちは、「うわあああ!!」とか、情けない声を出して、走ってどっかへ行ってしまった。
あまりにも気分が悪い。
なんなんだ今の子達は。
そうだ。あの子たちと鬼ごっこをしよう。
そう思い立ってからは早かった。
逃げていく子達を全力で追いかけ始めた。
僕はその辺の子よりは足が早いという自負があったので、あっという間に一人捕まえた。
捕まえた子はブルブル震えて泣いていた。
他の子はもう見えないところまで逃げてしまったようだ。
薄情だなあ。最近の子は。友達を見捨てるなんて。
まぁいいか。今からこの子と2人きりで遊ぶんだ。
何をして遊びたい?
鬼ごっこの続きする?
トランプ?
おままごと?
それとも、戦いごっこ?
*
*
*
それか、こういうのはどう?君をサンドバックに仕立てて、ボコボコに殴る。
その後、君をバラバラにして、宝探しのお宝にする。
そんなことしたら警察に捕まる?ママとパパが許さない?
大丈夫だよ。僕は障害者だから、責任能力は無い。
家も仕事も家族も、あ、ついでに着る服も無いんだけどねぇ。


























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