私の意思に共感して、ネットを通じて資金と環境を提供してくれる協力者は世界中に幾人もいた。
顔も名前も知らないが、どこにでも同じような嗜好の者はいるものだな。
手間も金もかかったが、最高のものを観れたよ。
真実を告げられて呆然とする彼女の表情。
自分を保つために必死で現実を否定しファンタジーに逃避する姿。
君ら警察の取り調べを受けている最中の困惑しながらも明るく振る舞うその様子。
自分の拠り所だった筈の魔法など存在しなかった事を知った時の驚愕。
そして、自分の信じる世界が愚かな幻想だったと真に理解した瞬間に感じる、足元が崩れ去る程の絶望の顔。
それらを観てるのが、
とても、
うん。
楽 し か っ た 。
さて、私の罪は、何なのかね?
私は何の罪で捕まるのかね?
私はただ、身寄りの無い幼く無垢で可哀想な少女を保護し育てていた。ただそれだけなのだがね。
~資産家の取り調べ、終了〜
…
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現在、彼女の他に、国内だけでも3人の【漂着者】が発見されている。
【心に深いトラウマを刷り込まれ、仇の魔物を追い続ける狂戦士】
【命を奪う事に躊躇いを抱かないように教育され、架空の軍隊と戦い続けるソルジャー】
【言葉を奪われ、全身に消えない呪紋を刻まれた、超能力者】
保護された彼(彼女)達は、自治体による日常生活復帰プログラムを受けている。
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無垢な少女を手前勝手な欲望でいたぶり尽くした奴らが心の中に思い描く風景を、俺は全く理解できない。
だが、
【邪悪な悪魔のような存在が支配する世界】は、
確かに存在していた。























リアル~