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ヒトコワ

yukiさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

異世界転生ドラ⚫︎もん
長編 2025/07/17 13:35 8,694view
3

だが、次の日。
スモールライトの効果が切れ、本来の身長に戻ったジャイ⚫︎ンは、再びの⚫︎太君を殴りつけた。
「の⚫︎太のくせに、生意気だぞ〜!!。」
お馴染みのフレーズとともに、昨日の仕返しが、の⚫︎太君を襲う!
その日、の⚫︎太君の部屋で。
「えーん、ドラ⚫︎も〜ん! ジャイ⚫︎ンが虐めるんだよ〜。」
と、の⚫︎太君はドラ⚫︎もんに泣きつく。
(…どうやら、まだこのストーリーは、終わらないらしい。くそ!)
「よし解った。僕の秘密道具で、今度こそジャイ⚫︎ンを懲らしめよう。」
昨日と同じやり取りが繰り広げられている。
「【タケコプターァ!!】」
解説不要の超有名な秘密道具第二弾、キター!!
…だが、タケコプターを使って、どうしようと言うんだ?
それは空を飛ぶ道具じゃないのか?
「まず、君はこの道具を使って、ジャイ⚫︎ンを空へ持ち上げる。」
「うんうん。」
ドラ⚫︎もんの解説に、の⚫︎太君は頷く。
「そのまま100mぐらいまで上昇。」

「うんうん。」
「地上から100mの空で、ジャイ⚫︎ンから手を離す。」
「うん!」
「ジャイ⚫︎ンは落下。なす術もなく、時速150kmで地面に激突。」
「おお!」
「落下の衝撃に耐えられず、見事ジャイ⚫︎ンの身体はぺっちゃんこ!。 どうだい?」
(…え?)
(いやいやいやいや)
(それって、ジャイ⚫︎ン、死んじゃうんじゃないのか?)
「…ねえ、ドラ⚫︎もん?」
「なんだい、の⚫︎太君?」
「それって、ジャイ⚫︎ン、死んじゃうんじゃないの?」
「うん? それが何か問題があるのかい?」
「うーん。ちょっとやりすぎじゃないかな?」
「もう。君は心配性だな…。よし解ったよ。じゃあ、この秘密道具も使おう!」
そう言って、ドラ⚫︎もんは腹の白いポケットに再度手を突っ込み、ゴソゴソと探る。そして、
「【タイム風呂敷ぃ〜】」
解説不要の超有名な秘密道具第三弾、キター!!

(…で、それでどうするんだ?)
「これを使えば、潰れてひしゃげて、人体の形を保っていない程バラバラになったジャイ⚫︎ンでも、何事もなかったように元通りさ!」
「なーんだ。それなら安心だ!」
(おいおいおい! それで納得するなよ!)
こうして、の⚫︎太君は、再度ジャ⚫︎アンへの仕返しに向かった。
タケコプターを装着したの⚫︎太君は、上空から猛禽類が獲物を捉えるかの如く、お馴染みの空き地に佇むジャイ⚫︎ンに向かって滑空!
ジャイ⚫︎ンを掴み上げると、そのまま猛スピードで上昇。
虚を突かれた形のジャイ⚫︎ンは、叫び声一つあげる間も無く、なす術もなく地上100mの空まで連れ去られる!
予定の高度まで上昇したの⚫︎太君は、ジャ⚫︎アンを抱えていた両の腕をサッと離す。
…の⚫︎太君の腕から…俺の腕から、人一人分の重さが消失した。
高度100mの空で自身の身体を支えるものを失ったジャ⚫︎アンは、そのまま時速150kmの速度で地上に向けて真っ直ぐ落下!
ここにきて、ジャイ⚫︎ンは始めて叫び声を挙げる。
だが、落下の速度と空気の抵抗によるドップラー効果で、その叫び声は音声のていを成さず、ただの不快な風きり音でしかなかった。
…そして、空き地の黄土色の地面に、放射状に紅い花が咲く…。
近くの空で様子を見ていたドラ⚫︎もんも、作戦の成功に思わずガッツポーズ!
そのままドラ⚫︎もんは、地面に広がる血痕の中心にあった真っ赤な肉塊に、紫色の布切れを…タイム風呂敷をかける。
風呂敷を取り除くと、あら不思議。傷一つないジャ⚫︎アンが、先程と同じように、空き地に佇んでいた。
…だが、茫然自失の表情で空を眺めるその視線には、恐怖の感情が映っていた。
おそらく、彼は突然に生じた落下の恐怖と、身に起こった落下の衝撃の記憶を脳内で反芻しているのだろう。
ここに、の⚫︎太君とドラ⚫︎もんの、二度目の仕返しは、成ったのだった。

3/7
コメント(3)
  • カオスで草wwww

    2025/07/24/14:46
  • 妙にリアルなのが逆に怖い

    2025/07/27/13:29
  • いい話やんwww

    2025/09/17/14:31

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