だが、まだこの物語に終わりは来なかった。
次の日である。
この日、朝から学校の教室の空気は冷たかった。クラスメイト同士の言葉も明確に少ない。
なぜだろうか?
そう。この日が来ることを、の⚫︎太君や友人達は数日前から知っていた。
それは、まさに地獄のステージの来訪。
その誘(さそ)いは、正しく絶望の舞台への誘(いざな)い。
逃れることの出来ない拷問の時間。
周囲十数mにダメージを与える音波兵器。
ジャイ⚫︎ン究極の暴力。
人はこう呼ぶ。今日この時を。
【恐怖のジャイ⚫︎ンリサイタル】と…。
自宅に戻って早々、の⚫︎太君はドラ⚫︎もんに泣き付く。
「ドラ⚫︎もーん! ジャ⚫︎アンのリサイタルに行きたくないよ〜。しかもジャ⚫︎アン、僕をステージの最前線でに聞かせるんだってさ〜。」
「ああ、そうなんだ。ジャ⚫︎アンも、ついに自分の空前絶後の音痴さと戦略兵器並みの愚声によって与える人体の損傷の程度に気付いたのかな? 人間は160db以上の大きな音を聞くと、鼓膜が破れたり、耳の中のコルチ器官が破壊されたりしちゃうからね。ロボットの僕は関係ないけど。」
「そんな薀蓄はどうだっていいよ〜。助けてよ〜!」
「よし、解った! リサイタルを止めさせよう!」
そう言って、ドラ⚫︎もんはお馴染みの動作でポケットに手を入れる。
果たして次なるドラ⚫︎もんの秘密道具は…。
「【92SB-F ピエトロ・ベレッタァ〜】」
黒光りする鋼鉄の塊を取り出す。
おお! 説明不要の秘密どう…ぐ…、じゃないよな、あれ?
「この自動小銃はね、世界中の警察や軍隊で幅広く使われているタイプでね、現在はアメリカ軍の制式採用されてるんだ。第二次世界大戦で広く使われた15発の9x19mmパラベラム弾を装填できるんだよ。使い易さは折り紙付きだ!」
「うんうん。」
相槌を打つの⚫︎太君。
「これを、リサイタルの準備をしていて油断しているジャ⚫︎アンに向ける。」
「うんうん。」
「眉間に照準を合わせて、後は引き金を引くだけ。」
「うん!」
「頭部を撃ち抜かれたジャイ⚫︎ンは、死ぬ。」
「おお!」
(おお!じゃねえよ! )
(ただのピストルじゃねえか! 秘密道具ですらねえよ!!)
俺はそう心の中で叫ぶ。
「君は射撃の腕だけなら、ピカイチだからね。神様は、虫けらにも才能を与えるものなんだよね。優しいな〜、神様って。」
「うん。目標に標準を合わせて引き金を引くだけ、だね。楽勝だよ!」
(秘密道具じゃない事に疑問を持てよ!)
だが、俺のツッコミは誰に聞こえることもなく、芥のように虚しく消え去る。
同時にそこで、俺に一つの疑問が浮かんだ。
ここは、夢の世界だ。
いわば、ドラ⚫︎もんの世界を追体験しているだけのはずだ。
…だが、ここは本当に、ドラ⚫︎もんの世界なのか…?
























カオスで草wwww
妙にリアルなのが逆に怖い
いい話やんwww