友人に電話をすると、『まだ?今どこ?こないの?』と、眠そうな声が電話から聞こえてきた。
「行きたいけど無理。曲がれない。曲がった先に白い傘を差した何かが先回りしてる」
って、きちんと言えたかわからないけど伝えると、友人は、
『何言ってるかわかんないけど、先回りされるなら追わせればいいんじゃない?』って返してきた。
でも、言われても何も考えられなくて、
「え?え?なにいってんの?意味わかんねー!!」って返すのが精一杯。
語気を強めて意味不明なこという自分に、友人は怒ることなくゆっくり丁寧に、
『一度曲がりたい方向と逆に曲がるでしょ?そしたら前に先回りされてるんだよね?
それから後ろ向いて、追われる形でまっすぐ道を進めば、行きたい方向にいけない?』
もう何でもいいから縋りたい一心で「わかった」って言って、友人の言うとおりにしてみた。
もう何も考えられなかった。
すると、本当に曲がった先に白い傘をさした人は現れるけれど、後ろを向いて逃げても追いかけてはこない。
正確には、こちらにむかって歩いては来るけれど、ソレは自分が曲がった角のところまで来たら戻っていく。
でも、また別の角を曲がったり、路地へ入ろうとしたりすると、その先の道から出てくる。
行ける!と思ったとたん、周囲に誰もいないのに「ボオオ、オ、ア、」と、
声なんだけど言葉じゃないとわかる音が、後ろから聞こえてきた。
感覚的に、あぁアレが喋ってると思い、より一層足に力を入れて走った。
ようやく友人の家の近くまで来ることができ、電話で伝えると、家の前まで出て待ってると言ってくれた。
ホントに家の前で待っててくれた友人のもとへ行くと、
「びしょびしょww傘どうしたのwww」なんて言って笑ってて、ちょっと安心したけれど、
見たこと説明して、走ってきた道の先を一緒に見てもらった。
暗いし遠いのに、でもはっきりと向こうの十字路に、白い傘と白い服を着た人の姿があった。
驚いた顔の友人と慌てて家に入ったあと、少し遠くから低音の人の声のような音がずっと聞こえていて、
友人が飼ってる猫が、窓やら玄関やらを行ったり来たりしてた。
明るくなって車の音がうるさくなってきたころには、いつのまにか声のような音や嫌な感じはなくなっていた。
その日のうちに県内のお祓いで有名な神社に二人で行き、お祓いをしてもらったのだけれど、
よぼよぼの神主さんは、
「忘れたほうがいい。理解出来ない者は数多くいて、それがなにかは私にもわからない」とだけ説明してくれた。
誤字脱字だらけな上に文才ないから、もっと要約できるだろ!とか、産業で!って思うかもしれないけど、
今思い出しても寒気が止まらない経験で、冷静に書けないんだ。
コレを読んだ誰かが同じようなことに遭遇したときは、友人の言葉を思い出して欲しい。






















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