敷地内は正面の門からは長々とした100メートルくらいの完全な更地で、
その先に大きな施設が三棟並んでいました。よく覚えていませんが、
とても奇妙な外観をしたデザインの建物でした。
施設周辺をコソコソ歩いていると、施設と施設の間に、灯りのついたキレイな
公衆トイレの建物がぽつんとあり、トイレがある場所一帯は白いキレイな
コンクリートで舗装されていて、ベンチまでありました。
Aが「ちょっと休憩しようや」と言い出し、周りの同級生らは「はぁ?見つかったら
さすがにヤバイだろ」「さっさと一周して帰ろうや」と言いました。私も
「見つかったら警察呼ばれるかもしれんし、卒業まであと少しじゃし、
問題起こしたらヤバイ、はよう帰ろうや」と言いました。
しかしAはベンチに座ると煙草を吸い始めました。「じゃ一服だけして帰るか」
という事で、全員でその場に座って煙草を吸いました。
するとAが「俺ちょっとトイレ行ってくるわ」とその公衆トイレの中に
入っていきました。BやCは「アイツ勝手に入った建物のトイレで
よくションベンなんか出せるなぁ」「ウ○コなら悪魔に呪われるんじゃないか」
とか冗談を言いながら煙草を吸っていたんですが、しばらくするとAが
トイレの中から「お~い。ちょっと来て。面白いもんがあるよ」と
小さな声で言いました。
ゾロゾロと行ってみるとAは「ほら、ここなんだと思う?」と便所の個室を
指さしました。Bが「トイレじゃん」と言うと「ドア開けてみてや」と言い、
Bが「なんや」と言いながら扉を開けました。扉を開けてみると、
なぜか中には地下に降りる階段がありました。
Aは「おかしいじゃろ。便器便器と並んで、ここだけ階段なんよ」と言いました。
いよいよ、この状況がおかしな事に気づきました。
第一Aの言動がずっと不可解でした。Aが急に肝だめしを提案した事、
横の扉の位置を把握していた事、トイレの扉をわざわざ開いた事などです。
私はAに「お前まさかココでウ○コするつもりだったん?」と聞きました。
Aは「いや、うん、そうじゃ」と曖昧に答えた後「ちょっと降りてみんか?」と
皆に聞き始めました。
私は当然断りました。
「お前おかしな事言うなや。はよ帰ろう。ここでグズグズしよったら見つかるじゃろ」
と言うと、「はは~お前怖いんじゃろ?ちょっと降りるだけなのに怖いんじゃろ」
と馬鹿にした感じで言い出しました。


























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