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不思議体験

にゃんこさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

地下の丸穴
長編 2025/07/15 08:38 6,597view

高校3年になり、宗教施設の事は話題にもならなくなっていたのですが、
ある日同級生のAが「あそこに肝だめしに行かんか」と言いはじめました。
Aが言うには「親から聞いたけど、悪魔教の建物に可愛い女が出入りしとるらしい。
毎日店に買い物に来とるらしいで」

Aの実家は、地域内で唯一そこそこ大きいスーパーを経営していました。
Aの両親は毎日2万円~3万円ぶんも買い物をしていく「悪魔教」に
すっかり感謝しているようでした。

Aは「俺の親は、あそこの信者はおとなしくて良い人ばかりって言いよったよ。
怖くないし、行ってみようや」

私やその他の同級生も遊ぶ場所がなく毎日退屈していましたので、
「じゃあ行くか!」という事になり、肝だめしが決定しました。

メンバーは私とAとBとCとDの同じクラスの5人と、
後輩のEとFの全員男の7人になりました。
7人もいれば怖くないでしょう。皆も軽い気持ちで行く雰囲気でした。

待ち合わせは施設にほど近い、廃郵便局の前になりました。
私が到着するとABCとEは来ていたのですが、
DとFが30分近く待っても来なかったので、5人で
行く事になりました。施設の近くに自転車を停車させ、徒歩で施設の門へ。
「うわ~夜中はやっぱ怖いわ」や「懐中電灯をもう一つ持ってくりゃ良かったね」
などと話していました。

巨大な門の前まで来ると門からかなり離れた敷地内の建物の一ヶ所に電気が
ついていました。「うわぁ信者まだ起きとんじゃね」「悪魔呼んだりしとんかね(笑)」

などと軽口を叩いていましたが、

Cが「これ、中に入れんじゃん」と言いました。するとAが
「俺が知っとるよ。横を曲がったとこに小さい門があってそっから入れる」
と言いました。「A、なんで早く言わんのんや」とか言いながら、
壁づたいを歩き、突き当たりを横に曲がり、少し歩くと壁に小さな扉がありました。

Aが手で押すと、向こう側に開きました。人ひとりようやく通れる扉を
5人で順番に通って中に侵入しました。その後は懐中電灯をつけたり
消したりしながら更地の敷地内をグルグルしていました。
「なんもないじゃん」「建物に近づいたらさすがにヤバイよの」など小さな声で
雑談していたのですが、あまりにも何もなくつまらないので
施設に近付いてみる事にしたんです。

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