そんなやりとりをしているAの隣で私は震えていた。
トンネルを出てUターンをしたあたりからずっとルームミラーでBが私の事を見ているのだ。
一才前を見ずルームミラーでじっと私を見ているB。最初は後ろを確認しているのだろうと思い、そこまで気にしていなかったのだが、いつ見ても私を見ている。
私は何かに魅入られた様に、全身に寒気が走り目を離すことが出来なくなり声すら上げられなかった。
少しずつ呼吸も荒くなっていき、額から汗が吹き出してくる。その時。
私の目を見ていたBの目が少しずつ左右に離れていく。ゆっくり。ゆっくり。動いていく。遂に左右の瞳が目尻に到着しようとした時。
「おい!お前いい加減にしろ!」
Cが思いっきりBの肩を叩いた。
「うわ!わりぃ!もしかして寝てた?」
Bが声を上げブレーキをかけゆっくりと路肩に停車した。
「ちょっと運転変われ。ぼーっとしていただけで寝てた様には見えんかったしお前に運転は任せられんわ」
Cはそう言いながら車を降り運転席側に回る。
「わりぃ。なんかすげぇ目がいてぇ。ちょっと寝かせてもらうわ」
Bはそう言うと目を擦りながら車を降りて助手席へと座った。
そこからは何事もなくBの家に到着し、着いたのが朝方だったと言うこともありそのままBの家に泊まった。
毎晩遊び回っていたのに、その日からしばらくしてAが結婚したりCがバイトを始めたりで、全員が集まる事が少なくなって行き自然と遊ぶ事がなくなっていった。
それから五年が経ち、久しぶりにCと二人で会うことになり地元の喫茶店で待ち合わせた。
最近会った事などをお互いに報告しながら私達は雑談を楽しんでいた。
最近全く心霊スポットとか行く事無くなったなという会話になった事で、私は久しぶりにあのトンネルの事を思い出し、Cにあの夜Bに起こっていた事を伝えた。
「ああ。Bね」
BとCは同じ大学に通っていた。あの日以降も交流はあったそうなのだが、そこまで親しく話す事は無くなっていって二年程疎遠になっていた。
そろそろ就職活動に力を入れないとと思っていた頃。突然Bから呼び出された。
「あのさ。俺。〇〇村で就職する事にしたわ!」
「は?どう言う事?」
「いや俺あの夜からなんかあの村の事が頭から離れなくなってさ。何回か行ってんのよ」
「え?村に行ったの?」
「うん。すげぇいい人達だらけでさ。俺が行くとみんな手振ってくれたり歓迎してくれてさ。地元の料理とかも振る舞ってくれるのよ。村役場とかも最近立て直したばかりらしくて最新の設備も設置されてて。スカウトされたんだよ。大学なんか辞めてここで働かないかって」
「いやいや……お前何言ってるか分かってる?あの村」
「ああ、わりぃ!まだ学長達とも話さないといけないからよ!じゃあな」
そう言ってBは走って行った。























ザこわい話って感じ