あの日の連絡

何故こうもスルーされているんだ

このままでは何もわからない

とにかく地元に戻ろう
葬式だってあるだろう
辛いがこのままお別れなんて嫌だ

ちゃんと二人に最後のお別れをして、何故二人は殺されなければいけなかったのかを調べよう
何日か有給を取ってとことん調べてやろう

まずは会社に電話だ

俺は会社に急遽の休みをもらうために電話しようとして

そのタイミングで電話が鳴った

固定電話からだった
登録されたものではなかったが、その数字は見覚えがあった

これはAの実家の電話番号だ

Aとは家庭ぐるみで仲良くしていた
それで電話番号は覚えていた

「○○君？」

出ると女性の声が聞こえてきた
Aの母親の声だった

「あ！　そうです！　○○です！　この度はなんというか、とんでもないことが起きてしまって・・・」

最愛の息子が亡くなって大変だろうに、わざわざ俺に連絡してくれたのか

「・・・」

返事がない
きっとあまりのことに言葉が出ないのだろう

俺はこちらから話を続けた

「今、そっちに向かう準備をしているところです！　何か手伝えることは何でもやりますので！
明日にはそちらに・・」

しかし、返ってきた言葉は想像だにしてないものだった