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心霊

きよみつさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

相談記録2
短編 2025/05/19 14:05 1,226view

次に相談してきたのは、同僚の女性・田嶋さんだった。
彼女はふだんしっかりしていて、どちらかというと他人の話を「気のせい」で片付けるタイプ。そんな彼女が、ある日ぽつりとこう言ったのだ。

> 「帰宅すると、部屋が……微妙に変わってる気がするんです」

最初は気のせいかと思ったという。
鍵は閉まっているし、侵入の痕跡もない。
けれど、毎晩仕事から帰るたびに、**部屋の中の“どこかが、少しだけ違う”**と感じるようになったという。

たとえば——

・リモコンが置いたはずの角度と微妙に違っている
・カーテンの隙間が、朝出るときより数センチだけ開いている

・冷蔵庫の中のペットボトルのラベルが、180度回転している

一つひとつは取るに足らない。けれど、それが毎日、必ず1箇所ずつ起きているとなると、話は別だ。

ある晩、彼女はふと思い立ち、スマホで玄関に小型カメラを仕掛けた。
翌朝確認しても、誰も出入りしていない。

ただ——
深夜2時13分。部屋の中がほんの一瞬、暗闇の中で“動いた”気配があった。

画面の明度を上げてコマ送りで見ると、暗闇の中で天井近くに“人のようなものの頭”が、逆さにスッと移動していたのが映っていた。

「それ、私じゃないんですよね……でも、家にいた“何か”だと思うと、ほんとに怖くて」

私は話を聞きながら、心のどこかで妙な静けさを感じていた。

田嶋さんの背後には、私が知る限り、“黒い影の気配”がなかった。

つまり、彼女は「守られていない側」だった。
だからこそ、侵入を許してしまったのかもしれない。

私はできるだけ穏やかに、こう伝えた。

「部屋の一箇所にだけ、決して動かさないものを置いて。毎朝、それを見てから出かけてください」

> 「そして帰ってきて、もしそこが変わっていたら——」
「すぐに、別の家に泊まったほうがいい」

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