彼女は苦笑いをして、「そんなにですか?」と聞いたけれど、私は真剣にうなずいた。
—
数日後、彼女から連絡があった。
> 「変わってました。動かした覚えのない、小さな招き猫の向きが、壁のほうを向いてました。
だから昨日は、ビジネスホテルに泊まりました」
その後、彼女は引っ越した。
それ以来、「変化」は止まったらしい。
でも彼女がぽつりと言った一言が、ずっと引っかかっている。
> 「先輩、私も守られるようになるには、どうしたらいいんですかね」
私は答えられなかった。
ただ直感でわかる。守る存在は、望んで来るものではない。
——選ばれるか、選ばれないか。
ただ、それだけ
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