まだ若く自尊心の強い医師は、自分の診断の間違いを認めず、その言葉に強く反発を抱いた。結果、医師と患者家族の信頼関係は地に堕ち、家族は訴訟も辞さないと強気の態度を訴えた。
…
医師は迷っていた。老人家族との訴訟問題だけではない。
自分は、死者の蘇り現象を目の当たりにした。これから自分は、医療従事者としてどうすればいいのか。
悩む医師の脳裏に、ある言葉が過ぎる。
…気味の悪い、ゾンビ。
それは、臨終の席に同席していた介護士が述べた言葉。
「怪物、か。」
…結果、医師は強引に蘇った老人を隔離し、精密検査を実行した。
ゾンビの、研究を始めたのだ。
その医師の行動が家族の怒りに拍車を掛け、医師や施設との関係に更なる大きな亀裂を生む。
…
だが、それよりも社会的に大きな問題が目の前にあった。
蘇った老人の存在についてである。
隔離室で四肢を縛られ自由を奪われた老人は、硬いベッドの上で力無くもがいている。
その行動は一見して生きているようにも見えた。
だが、依然として、老人の心臓と脈動は停止しており、呼吸もしておらず、瞳孔反射も確認できなかた。
つまり、老人は、死んだままなのである。
死んだまま、動いているのだ。
人はそれを、なんと形容するか?
『生ける屍』
つまり、
『リビングデッド』
又は、『ゾンビ』
である。
…
…
事態はそれで終わりではなかった。
全国各地の老人施設で同様のゾンビ化現象が発生したのだ。
急速にゾンビはその数を増やし続けた。
























ストーリーがめっちゃ面白い!
エグい、リアル、本当に怖いのは人間、そして哀しい。
この人の作品毎回恐すぎる