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呪い・祟り

yukiさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

僕はこれから『呪われた撮影現場』を実況することになる
長編 2025/05/16 15:36 12,638view
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それから。
しばらく撮影が進んだところで、問題が起き始めた。
監督が、なんというか…、おかしくなった。
屋敷での撮影が始まってしばらくは、何事もなかった。
だが、次の日、監督が突然、大声で喚き始めた。
何を言ってたかはっきり聞き取れなかったけど、「うるさい」とか「黙れ」とか、そんな事を言ってたと思う。
その日は、それで解散。
次の日、監督は普通に見えた。
ただ、たまにブツブツ言ってるようだった。
代わりに、おかしな事が起こり始めた。

照明が突然消える。
誰も触ってない筈の機材が倒れる。
役者が悲鳴のような変な音を聞く。
撮影が思うように進まない時もあって、役者が真夜中まで残る事もあった。
それでも監督は、取り憑かれたように、撮影を続けた。
眠れてないのか、目は血走り隈だらけだった。

途中、撮影の中止の話もあったが、強引なプロデューサーが撮影の継続を指示し、中止の話は立ち消えた。

ある日、マナミさん僕に近づき、尋ねてきた。
「ねえ、この屋敷で、赤い着物の人形って、見た事ある?」
僕は驚き、

「え?」
と返事を返す。
だが、マナミさんは、
「ううん。なんでもない。ごめんね。」
と、話を切ると、去って行った。

そして、災厄が始まった。

撮影が始まって一週間。監督が消えたのだ。
撮影時間になっても現場に現れず、連絡がつかない。
監督がいないのでは、撮影が進まない。
結果、その日は解散となった。
帰路につく間際、道具係さんの、「言わんこっちゃない…。」
とボソリと呟く姿が印象に残っている。

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