それから以降、俺達は三人で組んで『活動』する事が多くなった。
三人で、大人の男を襲うのだ。
Aが、欲求不満の馬鹿男を釣る。
Bが、ノコノコ釣れた男を脅し、金を(暴力で)巻き上げる。
美人局(つつもたせ)のような行為に、もれなく暴力が付いてくる、といった具合である。
俺は、その馬鹿男を探す役。
組む、というか、三人の目的が合致したから共に行動している、という感覚だ。
Bは、自身の暴力性を満たしたい。
俺は、小遣い稼ぎ。それに加えて趣味の満喫。
そしてAは、『暇潰し」である。
月に一回か二回。
俺達は、活動を起こした。
その度に、互いの欲求を満たす。
金も手に入る。
それが俺達はこの上なく楽しかった。
だが、最近、変化が訪れた。
AとBが、付き合い始めたのだ。
Bの熊のような見た目のどこが良いのだろうか…。
それに、Aは見た目こそは綺麗だが、その中身は最悪だ。
俺の好みではない。
…まったく、人の好みはわからない。
だが、そのおかげもあってか『活動』にも熱が入っているようだ。
暴力は人を惑わす。
だから、暴力は嫌いなんだ。クールじゃない。
そう思いながら、俺はBの拳で血だらけになる男の姿をカメラに収める。
最近は動画の撮影も行っている。
だいぶコレクションも増えた。
財布の中身も厚い。
今夜は、コレクションを見ながら一杯やるか。
俺はそんな事を考えていた。
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 21票


























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。