これは、知り合いの不動産業の方から聞いた話です。
5月の連休が明けた頃、とある空き家の近隣住民から通報があったそうです。
「誰も住んでない家に、人が入っていったように見える」と。
現場は郊外の一戸建て。
張り紙が玄関に貼られており、「立入禁止」と赤字で大きく書かれていた。
けれどそれは、不動産会社が貼ったものではなかった。
紙質も筆跡も、どこか異様だったそうです。
しかも、玄関の内側から貼られていた。
中に入って確認すると、人の気配はなかった。
ただ、押入れの中にだけ、濡れた靴と、真新しいランドセルが置かれていたという。
その家では、数年前に母子の無理心中があったといいます。
子どもだけが亡くなり、母親は行方知れずのまま。
数日後、再び同じ通報があった。
今度は、夜にその家の二階の窓に、張り紙の“赤い文字”が浮かび上がっていたという。
調べに行ったとき、張り紙はもうなかった。
だが、壁に赤く「ママはここ」と指で書かれたような跡が残っていたそうです。
その日を境に、誰もその家に近づかなくなりました。
現在も張り紙は無いはずですが、毎年5月の決まった日に、
誰かが勝手に「立入禁止」と書いた紙を、玄関の内側から貼っていくそうです。
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